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【外務省在外公館派遣員って?】在ダナン日本国総領事館派遣員・木下栞さん<インタビュー>海外留学・海外就職に興味のある学生必見!

こんにちは!ベトナムの寺内です。

今回皆さんにご紹介するのは、大学時代にベトナム語を学び、ベトナムへインターンや留学、そして就職をした木下栞(きのしたしおり)さんです。木下さんは現在、在ダナン日本国総領事館にて在外公館派遣員をされています。

なぜベトナム語を学ぼうと思ったのか?在外公館派遣員とはどんなお仕事なのか?など、海外に興味があったり、これから海外に出たい学生さんのヒントになれば嬉しいです!

木下栞さん

1999年生まれ、群馬県出身。神田外語大学 外国語学部 アジア言語学科ベトナム語専攻卒業。

大学在学中にベトナム語を学び、ベトナムへ旅行だけでなくインターンを経験。その後ベトナムの大学へ留学後、2022年3月に外務省在外公館派遣員としてベトナム・ダナンへ赴任しました。

今回はそんな木下さんから貴重な話をたくさんお聞きすることができました!

ベトナムとの関わり

ベトナムの友人たちとサパにて

ベトナム語を学んだきっかけ

──ベトナム語を学ばれたきっかけは何でしたか?

木下さん 元々英語が好きだったのですが、大学では何か違う言語を一から学びたいと思いました。父の会社に海外の方が多く、どこの国の人が一番多いのか聞いたところ、ベトナム人の方が多かったのでベトナム語を専攻してみようと思ったのがきっかけです。

──今、木下さんはとても流暢にベトナム語を話されていますが、初めから自分に合っていた言語だったりしたのでしょうか?

木下さん いいえ(笑)。大学に入学してまず半年間ベトナム語の発音を学ぶのですが、とても難しく、「こんなの話せるようになるわけない!」と思っていました。

そんな時に大学の友人が在日ベトナム人の二世で、夏休みにベトナムへ一緒に行こうと誘ってくれて、1ヶ月ほどベトナムへ旅行に行きました。友人の親戚のいるニントゥアン省に滞在したのですが、本当によくしてもらい、ベトナム人の温かさに触れる経験になりました。そして日本へ帰国したら、何故かベトナム語が凄く理解できるようになっていて(笑)。テストでも100点を取れるようになり、できるようになったら楽しくなって、ベトナム語の勉強を頑張るようになりました。大学2年生の時に日本全国から学生が集まる全日本スピーチコンテストでは大学2年生のカテゴリーで優勝することができ、とても嬉しかったです。

スピーチコンテストではお父様のお話をされたそう

ベトナムへのインターン

──その後もベトナムには何回か行かれたのですか?

木下さん 大学1年の春休みにホーチミンとハノイへ1ヶ月旅行へ行ったり、2年生の夏休みはハノイの人材派遣会社へ1ヶ月インターンへ行きました。その後も父の仕事の手伝いでダナンへ行ったりしていました。

──どのようなお仕事をされたのですか?

木下さん 人材派遣会社のインターンでは日本へ行くベトナム人技能実習生の履歴書の添削や面接練習、父の仕事ではベトナム人技術者の面接などを行いました。

インターン先の会社にて

ベトナム留学

──留学はいつ行かれたのですか?

木下さん 2020年2月から私の大学の提携校のハノイ貿易大学の日本語学部へ1年間留学へ行きました。テキストは日本語ですが講義がベトナム語なので、ベトナム人の学生と一緒に勉強をしました。

──2020年2月というと、その後新型コロナウイルスが流行り始めた時期ですよね?

木下さん ベトナムへ来てすぐに、半年間大学へ行けない状況になりました。ベトナム人学生はオンライン講義が行われたのですが、留学生はその措置がなく、ウイルスの蔓延で状況も悪化していたので大学からも帰国を勧められました。私以外の日本人留学生は帰国したのですが、私はせっかく来たのに帰るのが嫌で、自分で講義をしてくれる先生を探し、大学に行けない間はその先生とカフェで勉強していました。

ハノイ貿易大学卒業式

外務省在外公館派遣員について

在外公館派遣員の試験って?

──根性が凄いです…!その後日本の大学に戻られて、在外公館派遣員を受けたのですか?

木下さん はじめは日本の会社での就職活動をしていたのですが、何か違うなという思いがあり…ベトナム語をすぐに使える仕事ができたらと思っていたときに、大学で友人が在外公館派遣員の試験対策講座を受けていて、私も受けてみることにしました。本来は事前に申し込みし、遅くとも半年前から対策を開始するのが一般的です。私の場合は試験まで1ヶ月しかなかったのですが、先生に頼み込んで受けさせてもらえることになりました。

──在外公館派遣員試験はどのようなものなのですか?

木下さん 言語や教養、面接などがあるのですが、普通の就職試験とは違って特殊です。よく就活で使うSPI(総合適性検査)とも違うので、一般的には対策方法がないと言われているのですが、私の大学にその対策の講座があったのはとても大きかったです。在外公館派遣員試験は10月〜12月に行われて、合格発表がクリスマスの週という…みんなが就職も決まって遊んでいる時期でそこが辛かったです(笑)。

在外公館派遣員の仕事とは

──在外公館派遣員とは具体的にどんな仕事をするのですか?

木下さん 在外公館派遣員は所属が各公館によって異なります。私の場合は官房班になるので、主に「便宜供与」と呼ばれる、要人の移動や手続きの支援がメインの業務になります。その他にも会計関係や、例えばダナンにはいくつインターナショナルスクールがあるかなど調査関係の業務もしています。ダナンに赴任して初めての支援が地元・群馬県の山本一太知事のダナン出張だったので、運命を感じました(笑)。

──在外公館派遣員は任期が2年間ですが、新卒で受ける方が多いのでしょうか?

木下さん 在外公館派遣員制度は日本国籍を持つ18歳以上の青年が受けられるので、大学在学中に受けて休学して派遣員になる方も多いです。大学に復学して4年生として就職の準備を始められるので、新卒として扱われるのがメリットですね。

──木下さんは任期終了後は何をされる予定ですか?

木下さん 考え中ですが少しベトナム関係は休みたいという思いもあります(笑)。業務上、できないと言われてもできるよう遂行しなければならないので、ベトナム人間で板挟みになることも多く…、ちょっと違う仕事をしてみたいとも思いますが、未定ですね。

日本国政府専用機と木下さん

やりたいことがわからない10代へーモラトリアム期間をつくる

ベトナム語が話せるようになったきっかけのニントゥアンにて

木下さん 私もそうでしたが、やりたいことがわからない場合はとりあえず大学へ入ることをお勧めします。何がやりたいかわからないまま就職してしまうと悩む時間がなく、自然と選択肢も狭まってしまいます。学生期間は“人生の夏休み”ではないですが、悩んだり考えたり、自分と向き合う時間ができると思います。

──モラトリアム期間、大事ですよね。

木下さん はい。私自身奨学金を借りて大学に行きましたが、時間を大学で買う、っていう感覚です。あとはやりたいことを考えずにやること、ですね。お金を気にし出したら何もできないので、今しかない時間を有効に使うためにも、やりたいことはやってみてください。

“自分を愛すること”とは?

木下さん 自分の直感を信じる、いつも自分の味方でいることです。辛いと思ったら一旦全部やめて、今日は考えない!やらない!としてみたり、何かトラブルに巻き込まれても、どうにかなる・何とかなると思っています。

まとめ

貴重なお話を聞かせてくださった木下さん、ありがとうございます!

外務省在外公館派遣員の仕事について、お恥ずかしい話、私もよく知らなかったのでとても勉強になりました。海外に興味のある学生さんは、在外公館派遣員を視野に入れてみてもいいのではないでしょうか?

詳細:外務省在外公館派遣員制度

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