学生街としての長い歴史を持つ早稲田駅周辺。活気あふれるこの街で過ごしていると、ふと喧騒から離れて心を落ち着かせたくなる瞬間は誰にでもあるだろう。
今回紹介するのは、そんな時にふらっと立ち寄りたい、早稲田屈指の魅力を誇るコーヒーショップ『AKHA AMA COFFEE』。タイの少数民族アカ族の暮らす村から世界に進出した本店舗の魅力を、現役早稲田大学生の筆者が実際に行ってみて感じたこととともに紹介する。
AKHA AMA COFFEE
休日にわざわざ訪れたくなるカフェ
早稲田付近に良いカフェは無いかと地図を探っていたら、画像からでも雰囲気の良さの薫る素敵な店舗を見つけてしまった。AKHA AMA COFFEE。休日に早稲田に向かうことなどほとんどなかったが、お散歩日和の天気に釣られて家を飛び出す。
早稲田駅から徒歩6分。サークルの行事だろうか、大学のある方角へ忙しなく向かう学生たちを横目に、目的のカフェへと歩を進める。
休日の早大通りはどうやら歩行者天国のようで、青々しいケヤキの木の下で親子が優雅にバドミントンの試合をしている。
『AKHA AMA COFFEE』に到着。全面ガラス張りの開放的な入り口に惹かれて吸い込まれるように入店すると、金髪のお姉さんが笑顔で挨拶してくれる。
ウッディなインテリアがコンクリート調の店内に配置されていて、モダンなスマートさとアンティークが調和して居心地の良い雰囲気が印象的である。ペットも同行が可能な一階のテラス席では、並木通りを前にお客さんが落ち着いた面持ちでコーヒーを嗜んでいる。
何を注文するか悩んでいると、店員さんが店舗について丁寧に解説をしてくれた。
『AKHA AMA COFFEE』はタイ発祥のコーヒーショップで、「アカアマ」は「アカ族のお母さん」を意味する。タイ北部の少数民族・アカ族が暮らす小さな村で生まれ育ったリーさんが、地元の母が栽培するコーヒー豆の魅力を世界に届けることで、村を豊かにしたいという願いのもと立ち上げたのがこのコーヒーショップである。
2010年に自国のタイ・チェンマイに一号店がオープンし、早稲田店は2024年に神楽坂に次ぐ2号店として立ち上げられた。
タイコーヒーと店舗限定サンドイッチ
この日注文したのは、深煎りのタイコーヒー「ケムコン」と早稲田店限定の「生ハムのサンドイッチ」。
バリスタがハンドドリップで丹精込めて注ぐコーヒーは、ダークな深みがありながらも重すぎず、スッキリとした一杯に仕上がっている。提供直後のコーヒーはまだ熱すぎるかと思いながら恐る恐るマグを口に運ぶと、最初から口当たりのいい温かさが身に染みる。
生ハムのサンドイッチは、生ハムの上にイチジクとカマンベールチーズが交互に並ぶ贅沢な一品。生ハムの塩味とイチジクの甘味、チーズのまろやかな風味が絶妙に調和している。さらに全体に効かせたペッパーが味を引き締めており、最後まで飽きることなく楽しめる。
店内に流れる「オーシャンゼリゼ」に身を委ねながら優雅に食事をする。店内ではビートルズやくるりなど幅広いジャンルの音楽が流れており、あまりにも穏やかなひとときを過ごしてしまった。
コーヒー豆に込められたストーリー
現地の自然環境を守るため、農薬を一切使用せず栽培されたコーヒー豆は、お墨付きのバリスタの指導のもと一杯ずつ丁寧に仕上げられていく。輸出業者や生豆商社を介さず、信頼できる最小限のメンバーのみを通じて提供される天然のコーヒーだからこそ、お客さん一人ひとりに寄り添った味わい深さが実現されている。
店内ではコーヒー豆の販売も行っており、パッケージには生産者の似顔絵が描かれている。生産者や栽培方法によって風味は大きく異なるため、自分好みの一袋を探せる楽しさも魅力の一つだ。手に取る人のことを第一に考えた温かみのあるデザインからは、タイと日本を隔てる物理的な距離を感じさせず、生産者とのつながりが伝わってくる。
| タイ北部のアカ族が森林農法で栽培するアカアマコーヒー。生産者との直接のつながりを大切にし、持続可能な農業と環境保護を実現。豊かな自然の中で作られる独自の風味と、コーヒーに込められたストーリーをお楽しみください。 AKHA AMA COFFEE JAPAN - Akha Ama Coffee Japan |
最後に:タイと日本をつなぐ一杯
各国の豆を揃えたコーヒーショップが多数居を構える中で、タイで栽培される限られたコーヒー豆を主軸に地元の食文化を世界に発信し、さらには村の発展に貢献を果たす。私たちはコーヒーを通して、現地の伝統やそこで暮らす人々の愛情に触れることができる。
店内は日が暮れてきても老若男女問わず多くのお客さんで賑わっており、国境を超えて美味しいコーヒーを届けることこそが、地元への最大の恩返しといえるだろう。
ぜひ、その日限りの一杯を味わいに訪れてほしい。
