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【陶芸好き必見】私が美大の陶芸で学んだこと、作った作品 〜1年生 前編〜

こんにちは、ハルです。

今回は、美大で陶芸を学びたいと考えている学生に向けた内容をご提供します!

私自身の経験談が主になりますが、私が美大の陶芸で、4年間どんなことを学んできたのか。どんな作品を作っていたのかについて、学年ごとに分けてお話しします。(この記事は【1年生 前編】になります)

その他に、実際に作った作品の写真や、作業風景の写真もたくさんお見せします。陶芸・ものづくり好きの方にはたまらない、見ていてワクワクする写真ばかりです。

これから美大で陶芸を学びたいと思っている学生にとって、ためになる情報が得られるかもしれません。

それでは、ぜひ最後までご覧ください!

初めての陶芸授業で作った作品

私が美大1年生になって、初めての陶芸授業で作った作品をご紹介します!

これがどんな作品なのか、表面に何が描かれているか、わかりましたか?

こちらの作品は『ランプシェード』で、表面に描かれている模様は『龍と鳳凰』です。

一見するとランプシェードに見えないかもしれませんが、光を当てると、表面の龍と鳳凰の模様がきれいに発光します。ライトアップした状態の写真は、【1年生 後編】の記事でお見せしますので、お楽しみに。

それでは、ここからは作業風景の写真をいくつか載せて、作品の簡単な解説をしていきます!

ランプシェードの型を作るまで【泥漿鋳込み】

ランプシェードの型を作るために、【泥漿鋳込み(でいしょういこみ)】と言う技法を使いました。

【泥漿鋳込み】についてざっくり説明しますと、石膏の型に泥漿(液状の粘土)を流し入れて成形する、陶芸の技法の1つです

一体どんな技法なのか。そして、どうやってランプシェードの型が作られるのか、下記でそえぞれの工程の写真を載せながら解説いたします!

まずは、石膏型を作る作業から始まりました。

みんなそれぞれ好きなカップ麺の容器を持ってきて、その容器の中に液状の『石膏』を流し入れました。私は写真に写っている容器を使用しましたが、他の同級生は細長い容器や四角い形のものを使っていました。

液状の石膏を入れてから20〜30分経つと、石膏が徐々に固まります。表面を触ると、じんわりあったか〜くなっていて心地良かったです。

上の写真は、みんなで石膏の表面に手を当てて、暖かさを感じている場面です。

石膏が固まったらカップ麺容器を剥がし、周りを削って形を整えます。

私はお茶碗のような形になるまで削りましたが、手首が疲れすぎて痛くなりました。

お次も手が疲れる作業。

耐水ペーパーと水を使って、型の表面をツルツルに仕上げます。(このツルツルにした型を、石膏型①と表記します)

石膏型①の表面に、『カリ石鹸』を塗ります。教授から「このカリ石鹸をしっかり塗らないと、あとの作業で大変な思いするからね」と言われたので、みんなでビシャビシャになるくらいまで塗りました。

日に当たって、ツンツルテンに輝いていますね〜。

お次は、粘土とPP(ポリプロピレン)シートを使って『土手』を作っている場面です。

土手の中に、石膏型①を置きます。

ここでまた、液状の石膏の登場です。

液状の石膏を、石膏方①のてっぺん部分より、+5〜7cmの高さまで流し入れていきます。

液状の石膏の中にある気泡を出すために、土手の周りを手で叩きまくりました。痛かったです。

だんだん手が限界になってきたので、最後はゴムハンマーを使ってテーブルを叩きました。

20〜30分経って、表面がじんわりあったかくなってきたら土手を外して、石膏型①をスポッと取り出します。

教授が「『カリ石鹸』をしっかり塗れ」と言っていたのを覚えていますか?その理由は、この工程で石膏型①を取り出しやすくするためだったのです。

私の石膏型①は簡単に外れましたが、何人かの同級生はカリ石鹸の塗りが甘かったのか、型がなかなか外れなくて苦戦していました。中には、先生から「これは取り出し不可能」と言われて、初めのカップ麺の工程からやり直した人も。

やり直しを言い渡された学生はかなりショックを受けていましたが、教授の助けがあったおかげで、なんとか作り直すことができました。

このあとから、写真の手前に置いてある大きな型(以下、石膏型②と表記)を使用して、【泥漿鋳込み】の作業に入ります!

まずは、【泥漿鋳込み】の作業に入る前の準備に取り掛かります。

みんなで『磁器土』を細かくちぎっていきます。

磁器土とは、磁器の原料になる粘土で、焼いたあとは真っ白で綺麗な仕上がりになります。もし気になった方は「磁器 器」で検索して、画像をチェックしてみてくださいね!

細かくちぎった磁器土に、水と珪酸ソーダという液体を入れて、トロトロになるまでひたすらかき混ぜます。(珪酸ソーダとは、液状の粘土をトロトロにし、伸びを良くする調整剤です)

写真のトロトロになった磁器土の液体を、『泥漿(でいしょう)』と言います。

泥漿がトロトロの状態になったら、バケツと目が細かいザルを使ってこします。(液体の中に残っている磁器土のダマをなくすため)

ザルでこしたあとの泥漿は、トロトロさとなめらかさが増してずっと触っていたいくらい気持ちよかったです!

2回ほどザルでこしたら、いよいよ【泥漿鋳込み】の作業に移ります!

ここから、【泥漿鋳込み】の本格的な作業です。

トロトロなめらかになった泥漿を、石膏型②へ溢れるギリギリまで流し入れます。

3分くらい待ってから、中に入っている泥漿をバケツへ戻します。

すると...

泥漿の水分が石膏型②に吸収されて、硬化した状態になりました!

厚さは3mmくらいですね。

石膏型②にくっついている泥漿の型が、柔らかすぎず硬すぎずの程よい状態になったら、石膏型②から外します。

この「程よい状態」が、素人の目ではいまいち分かりませんでした...

柔らかい状態で外すと、泥漿の型がへにゃっと歪んでしまいます。逆に、硬い状態で外すと泥漿の型にヒビが入ってしまうことも。なんとも扱いが難しい素材でした...

何度か失敗してしまいましたが、少しずつコツを掴み、写真のような綺麗な状態で外すことができました!

これで、ランプシェードの原型が完成です!

次回予告

作業量が多くて長くなってしまうので、今回はここまでです!

まだほんの一部ですが、少しでも美大の陶芸授業の様子が分かったり、「面白そうだな」と感じていただけたら嬉しいです。

次回の後編では、【泥漿鋳込み】でランプシェードの型を量産したり、窯を焚く準備をしたりなど、さまざまな工程に入ります。私のランプシェードがライトアップされた写真は、後編の記事にありますので、ぜひ読んでみてください。

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。また次回、お会いしましょう!

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