海外旅行は楽しみですが、慣れない地での突然の体調不良やトラブルなど、不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
今回は、海外旅行保険が「どんな時に役立つのか?」「なぜ必要なのか?」についてFP2級の筆者が解説したいと思います!
海外旅行保険って何?
海外旅行保険は、旅行や留学、出張などで海外で渡航した際に、病気・ケガ、盗難などのトラブルで発生した損害を補償するための保険です。
日本の健康保険は使えないの?
海外で病気やケガをし病院へ行っても、日本の健康保険(国民健康保険)は使えないので、医療費は全額自己負担になります。
日本帰国後に負担した医療費の一部を払い戻してもらえる「海外療養費制度」というものがあります。払い戻し額は、日本で同じ診療を受けた場合の医療費に換算した上での自己負担額1~3割を控除した金額となります。
海外での医療費は日本よりも高額な場合が多いので、海外療養費制度を利用したとしても、結局自己負担額が高額になるケースもあります。
日本で加入した医療保険が海外で適応されることもある
保険会社の医療保険に加入していれば、海外で発生した病気やケガにも適用される場合もあります。
保険の種類によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
ただし海外旅行保険に比べると、支払われる保険金の限度額が低かったり、補償内容が手薄な場合があります。
そんな時に役立つのが「海外旅行保険」です。
海外旅行保険の基本的な補償内容
では、海外旅行保険の主な補償内容を見ていきましょう。
ケガや病気
- 治療費用補償
海外旅行中の病気やケガで医師の治療を受けた、入院や手術をした場合の治療費を補償 - 疾病・障害死亡補償
旅行中の病気やケガを原因に亡くなった時に保険金が支払われる補償 - 傷害後遺障害補償
旅行中のケガや病気を原因に後遺障害が残った場合に保険金が支払われる補償 - 救援者費用補償
海外旅行中のケガや病気で3日以上入院した場合、日本から家族が現地に駆けつけるための航空費や宿泊費などを補償・遺体や病人の移送、搬送にかかる費用や補償
自分の持ち物
- 携行品損害:自分の持ち物が盗難・破損などで損害を受けた場合に補償。
※保険会社によって補償対象は異なるので要確認。スマートフォン、ノートパソコン・カメラなどの電子機器はオプションの場合も。現金・クレジットカードは対象外。
飛行機のトラブル
- 航空機遅延費用補償
飛行機の遅延や欠航によって宿泊費や飲食代が発生した場合の補償 - 航空機寄託手荷物遅延等費用補償
航空会社に預けた荷物の到着が遅れたことにより発生した費用(衣類や生活必需品などの購入)の補償
他者とのトラブル
- 賠償責任
誤って他人にケガをさせた/他人の物を壊したなど、法律上の賠償責任を負った場合に補償
クレジットカードの付帯の海外旅行保険とは?
クレジットカードには、最初から海外旅行保険が付帯されているものがあります。
まずは旅行の前に、自分のクレジットカードに海外旅行保険が付帯しているかどうか確認しましょう。
クレカの海外旅行保険は、自動付帯と利用付帯の2種類
クレジットカードの海外旅行保険には、自動付帯と利用付帯の2つのタイプがあります。
「自動付帯」の場合は、特に何もしなくても何かあった際は保険が有効になります。
「利用付帯」の場合は、出国までの公共交通機関の代金や旅行代金をクレジットカード払いで支払うことや、旅行先で到着○日以内にクレジットカードを使用していることなどの条件を満たすと有効になります。
クレカの海外旅行保険だけで大丈夫?
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、特別な手続きをしなくても海外旅行保険が利用できるのがメリットです。
しかし一方で、支払われる保険金の限度額が低かったり、補償内容が手薄な場合が多く、万が一の場合に十分な補償が受けられないといった可能性もあります。
海外の医療費は日本よりも高額な場合が多いので、クレジットカード付帯の海外旅行保険のみでは、自己負担が発生してしまうこともあります。
補償内容もカードの種類や会社により違うので、クレジットカード付帯の海外旅行保険の内容を確認し、補償が足りないと感じた部分は保険会社の海外旅行保険で補うのがおすすめです。
保険会社の海外旅行保険とは?
上記で説明した健康保険・民間の医療保険での補償やクレジットカード付帯の海外旅行保険では、海外での医療費やトラブルに対して一定の補償を受けられる可能性があります。
しかしこれらの補償だけでは賄いきれない時に役立つのが、保険会社の海外旅行保険です。
保険会社の海外旅行保険のメリット・デメリット
保険会社の海外旅行保険のメリットとしては以下があります。
- 補償の限度額が無制限、または高額に設定できるので手厚い補償を備えられる
- キャッシュレス診療:保険会社の提携医療機関であれば自己負担なしで治療を受けることができる
- 海外サポートセンター:海外旅行中トラブルに巻き込まれた場合などに24時間いつでも日本語で相談できる
補償以外にも様々なサポートサービスがあるのが特徴です。(サポートサービスは各保険会社により異なります)
デメリットとしては、下記が挙げられます。
- 補償期間が予め設定した旅行日数分のみである
- 渡航先の情勢の危険度が高い・持病がある場合は加入できない可能性がある
事前にネットや旅行会社、または出発前に空港で加入することもできるので、自分に必要な補償を備えて旅に出ましょう。
必要に応じて加入して海外旅行へ行こう!
保険会社の海外旅行保険では様々なトラブルの補償を受けられる他、手厚いサポートを受けることができます。
さまざまなリスクやメリット・デメリットを考え、自分に合った海外旅行保険を利用し、安心して旅行を楽しめるようにしましょう。