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本を読んでひんやり!夏にオススメ、涼しい気分になれる本【3選】

こんにちは。出版社で働いている週末ライターのよしザわです。

毎日暑くて嫌になっちゃいますね。まだ7月前半だというのに、私は早くも夏バテ気味……。冷房を付けるだけでなく、なるべく涼しい気分で過ごしていたいものです。

そこで、今回は「涼しい気分になれる本」を3冊ご紹介します!それぞれ違う角度から「涼」を味わえるので、自分に合った本があればぜひ手に取ってみてくださいね。

『とうがらしの世界』汗かいて熱を発散!

辛い物って、暑い時にこそ食べたくなりませんか? 辛い物を食べて汗をいっぱいかいて、身体の熱を発散してしまいましょう!『とうがらしの世界』は、研究者の著者が、トウガラシ料理を食べ歩き、世界のトウガラシ事情を詳しくまとめたホットな1冊です。

トウガラシの歴史において欠かせない人物がコロンブスです。1492年、アメリカ大陸発見したコロンブスは、当時、中南米でのみ栽培されていたトウガラシをスペインに持ち帰りました。その後、ヨーロッパに広がったトウガラシは、貿易などによって世界中に広がっていきます。日本にトウガラシがやってきた時期は諸説あるのですが、遅くとも江戸時代初期には食べられていたそう。ワサビやショウガと違う強烈な辛さに、昔の人たちも虜になっていたみたいですね。

おすすめは食レポ付き「世界一周トウガラシ紀行」

トウガラシの歴史や生態を知るのも面白いですが、何と言ってもオススメは第2部の「世界一周トウガラシ紀行」です。トウガラシを通して、世界の食文化を知ることができます。著者の食レポ付きで、どの料理も食欲がそそられます。もう何度も生唾を飲み込みながら読んでいました。

辛い物好きのよしザわが気になっているのは、コートジボワールの「リ・ソース」(Riz・リ=米、Sauce・ソース=煮込み)です。トウガラシが丸ごと入った煮込み料理をアフリカのお米と一緒に食べるカレーライスのような料理で、トウガラシを崩しながら辛さを調節して食べます。アフリカ料理は馴染みがないので、いつかは食べてみたい!

日本だと赤くて辛い「鷹の爪」が有名ですが、辛くないトウガラシもたくさんあります。実は、ピーマンやパプリカもトウガラシの仲間なんです。 日本だけでなく、世界各国でも生のトウガラシがサラダとして食べられています。生で良し、火を通しても良し、調味料でも良し。この本が1冊あれば、トウガラシがいかに万能な野菜なのかを知ることができますよ。

『水族館哲学 人生が変わる30館』気持ちよく広がる水槽を見つめて

水中世界の中でもとりわけ人々に強い感動を与えるのは、「どこまでも広がる青い空間」「重力がないかのような浮遊感」「水の存在による清涼感や潤い感」「水中生物の立体的な躍動感」などで、いずれも「水」の存在を感じることによる非日常だ。
(中略)
そのような水槽の魅力をまとめて、私は「水塊」と名付けた。

『水族館哲学 人生が変わる30館』 「水塊」とは?より

美しい「水塊」の数々を見ていると、読んでいる自分も水の中に沈んでいくような気分になれます。水のパワーで涼しさを感じましょう!水族館を紹介するガイドブックのような本ではありますが、フルカラーで写真も多いので海の生き物の写真集としても楽しむことができます。

水族館初心者にもわかりやすく楽しめる!

『水族館哲学』というタイトルからは少し堅い印象を受けますが、内容は水族館初心者の人にもわかりやすく、短い時間でサラっと読めるので、あまり本を読まない人や小説以外は読まないという人にもオススメです。

水槽の特徴やショーの魅力、住所や入館料などの基本情報はもちろん、水族館プロデューサーの著者だからこそわかる運営上の工夫も紹介されています。行きたい水族館に合わせて旅行のプランを立てるのも楽しそうです。また、この本を読むことで、行ったことがある水族館の魅力も再発見できると思います。ぜひ、お気に入りの場所を探してみてください。

同じ水族館でも、自分の年齢や一緒に行く相手によって印象がガラッと変わりますよね。

「小さい時、イルカのぬいぐるみをおねだりしたなぁ」
「初めてのデートはあの水族館だったっけ」

この本を通して、自分の中にある水族館の思い出を振り返ってみるのはいかがでしょうか。きっと、幸せな記憶にたどり着けると思います。

『氷と蜜』今すぐかき氷が食べたくなる!

夏のお楽しみの1つはかき氷ですよね。使い捨てのカップとストローで食べるお祭り屋台の定番から一転、今じゃすっかりお上品なひんやりスイーツの印象が強くなりました。この時期になると、喫茶店やファミレスでも大きな器に入ったふわふわのかき氷を見かけます。

かき氷の本と言えばガイドブックがほとんどですが、『氷と蜜』はかき氷がメインのグルメ小説です。「ひむろかざはな祭」でのかき氷コンテスト優勝を追い求め、主人公が大阪のかき氷屋さんを駆け巡ります。友達の協力、ライバルからの宣戦布告、そして気になる恋人との関係は……?たかがかき氷、されどかき氷。冷たい1杯に込められた、並々ならぬ情熱に感心してしまいます。

作中で行われている「ひむろかざはな祭」はフィクションのお祭りではなく、実際に奈良の氷室神社で行われている「ひむろしらゆき祭(@himuroshirayuki)」がモデルとなっています。氷を愛でる神様が祀られていることから、町おこしとして始まったお祭りなんだとか。

華やかで美味しそうなかき氷の描写

この本の最大の魅力は、華やかで美味しそうなかき氷の描写です。イチゴ、オレンジ、マンゴー、ティラミスに抹茶などなど、ツヤのあるシロップ。薄く削られ、優しく器に盛られた氷の中にスプーンを入れた時の感触。さっぱりとした甘さと氷の冷たさが広がるひとくち。この本を読んだら最後、もう絶対にかき氷を食べないと気が済まなくなってしまいます。食べた後の「頭キーン」すら恋しい……。

著者の佐久そるんさんのTwitter(@sakusakusoru)を覗いてみると、美味しそうなかき氷の写真だらけ! どうやらお店で食べているだけでなく、ご自身でも氷を削ってシロップの試作までしているみたいなんです。いったい何杯のかき氷を食べてきたんだろう……。佐久さんの経験や感動、そしてかき氷愛が、このお話をより楽しいものにしてくれています。

暑さに負けない1冊を見つけよう

今回の記事では、

の3冊を紹介しました。

通学中や学校の休み時間など、暑さでしんどい時のおともに。涼しさをイメージするだけでも体感温度が変わってきますよ~。

よしザわ るな Twitter:@good_0m0

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都内出版社の見習い編集者。東京23区の端っこ、練馬区で生まれ育っています。batons writing college 1期生。食べるマガジン『KUKUMU』で連載中。ご飯のこと、お酒のことばっかり書いています。週末の夜は日本酒とあんきもで優勝したい。
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