こんにちは、心理士の稲村です。
随分と秋めいたこの頃。虫の声を聞きながら、この原稿を深夜3時に書いています。なぜ私は期限ぎりぎりにならないとエンジンがかからないのだろうと反省しながら、PCのキーを叩いています。大学生の頃も、レポートを締め切りぎりぎり徹夜で書き上げながら、しかも同時にいくつも進行させるという無茶をしていました。
私は、点で仕事をするよりも面で仕事をすることが多いです。例えば、料理をつくる時は、一品ずつでなく一度に鍋を三つコンロにかけながら、同時進行で調理しています。本を読むときも、2~3冊同時に読み進めて一気に読み終わるようにしています。長時間、コツコツと集中することが苦手なので、気分がのった時に、一度に何かをしてしまおうとするのです。それでも、時間ぎりぎりに何かをするのは、体力的にも厳しい時があるので、もう少しなんとかしたいなと思っています。中々なんとかならないので良い案があったら、皆さんアドバイスしてください。
どこまでの付き合いなら、友達と言えるのか?
さて、話がそれてしまったのですが、今月のお題は「友達は、多いほうがいい?少ないほうがいい?」です。
まず、最初に考えて欲しいのは、どこまでの付き合いならば、友達と言えるのでしょう。
友達と知人の境界は、とても曖昧です。学生だと、親密度が高い親友から、学校の同級生あたりまでが、友達と呼べる範囲でしょうか。趣味の仲間も、友達といえるかもしれませんね。
友達とは、「知人と呼ぶより、もう少し親しい間柄」と定義してみます。ただ、それはとても感覚的なものなので、かなりファジーです。自分が「友達」だと、思えば友達だし、そうじゃなければ「友達」じゃない。
結論から言ってしまえば、私は「友達は、多くても少なくても、どちらでもよい」と、思っています。なぜならば、どんなものでも大抵、必要な量というのは、一人一人によっても、またそのタイミングによっても全く違うからです。
同級生と連絡を取らなかった10代
私は一時期、地元の同級生達と全く連絡を取らずにいた頃がありました。
色々面倒になって、高校を退学し予備校に通っていたので、会う時間も理由も無かったからです。バイト先に、同じ高校だった同級生達が訪ねてきたこともありましたが、そのときも少し会話をしただけで、その後連絡をとることはありませんでした。その後、地元を離れてしまったので、一時期同級生達とは、更に疎遠になりました。
学校という狭いコミュニティーで、ささいなことで喧嘩をしたり、一緒にトイレに行こうと誘いあったり、誰かにあわせて行動をすることがとても窮屈でした。でも、高校生でいる限り、一人で好きなことをするのは当時とても難しかったのです。その理由は、自分も周りも子どもだったので、適度な距離感で、他人と付き合うことが出来なかったからだと思っています。
じゃあ、当時いつも一人だったかといえば、そうじゃない。予備校の仲間とランチに行ったり、バイト先の仲間と遊びに行くこともありました。でも、放っておいて欲しい時は、その場所にいかなければそれ以上お互い踏み込まない。そんな居場所を自分で持つことで、何となく楽しく過ごしていました。
大人になると、それぞれ仕事や家族をもったりして、自分のためだけに時間を使うのが難しくなります。友達がいても、四六時中一緒に遊べる訳ではありません。同級生達と一度距離をおいた私は、その後ずいぶんたってから当時の友人達とバンドを組んだり、また時々一緒に遊ぶようになりました。
大人になって気づいた「友達」の付き合い方
ふりかえってみると人生のなかで一番友達が多いのは、今現在です。
色々な場所で生きて来て、年齢と共に、少しずつ友達が増えていきました。友達というのは、無理に仲良くなるものでもないし、一緒にいるからと友達になれるものでもない。なんとなく気が合ったり、お互いのタイミングや条件があえば、自然と付き合いが続くもの。
友達を「つくった」のではなく、気がついたら友達になっていたというのが、正しいのかもしれません。
学校の同級生は、たまたま同じ学校に通っている仲間です。でも、だからこそ全員が一生付き合える友達という訳じゃない。ただし、同じ空間を長時間共有するには、お互いに少し気をつかう方が、過ごしやすいのも事実です。
それでも、どうしてもそれが難しかったら「知人」という枠の範囲で考えて、割り切ってつきあえばよいのです。なぜならば、友達というのは自分で選んで、相手も自分を選んでくれて初めて成立する仲だからです。高校生の頃の私は、そこに気がつかずに少し苦しい思いをしましたが。
結論として
友達は、多いほうがいいか?少ないほうがいいか?そこにこだわるより、自分の周りにいる仲間が友達になれる相手か、そうじゃないかを見極める力をつけるために、今は色々な経験を積む時期です。
良い時にばかり集まってくる人より、自分が辛い時に助けてくれる人、そして間違った時には、それをきちんと指摘してくれる人。でも時には、自分を甘やかしてくれる人。そして、それがお互い様でいられる人。それが、私にとっての友人達です。
皆さんも焦らず、長い目で探してみてくださいね。