世界で加速する紙ストローの導入と課題
最近コンビニやカフェで飲み物を買ったときにもらえるストローが変わっているんです。それは紙ストローにになっているということ! 実は、海外では数年前から普及の輪が広がっており、紙ストローはかなり主流になっていたのです。 環境のために脱プラスチック!ということで、日本も最近やっと追いついてきました。
日本国内ではスターバックスやケンタッキー・フライド・チキンなど外食産業を中心に積極的に“脱プラ”を進めています。
では、先行して導入していた海外ではどのような動きとなっているのでしょうか?ここでは、いくつかの国の紙ストロー事情を簡単にご紹介します。
目次
紙ストローで環境をよくする?
そもそも脱プラスチックの動きは、海洋汚染問題がきっかけです。
プラスチックストローを使い続けると、プラスチックごみが海に流れ込んで細分化され、微小な粒となって海を汚します。それが生き物の生態系にも悪影響が及ぼすなど、深刻な問題となっているんです。
「このまま放置したら地球の環境は取り返しがつかなくなる!!」
そんな背景もあり、環境に優しいとされる紙素材のストロー導入は今や世界的な流れに。
世界各国の紙ストロー事情
中国
2019年にはプラスチック製ストローが約3万トン(本数にしておよそ460億本)生産されたという中国。でも2020年末をもってプラスチック製の使い捨てストローは、中国全土の飲食業で使用禁止となっているようです。製造大国でありながらこの決断はすごいですね。
台湾
日本人に人気の台湾では2018年、使い捨てプラスチック製品を2030年までに全面禁止にすると発表。使い捨てのストローの他にレジ袋、食器、コップの利用については、2025年に消費者へ追加料金支払いの義務化を目標とし、2030年には使い捨てプラスチック製品を全面禁止とするようです。
カナダ
2021年末までに使い捨てプラスチック製品(ストロー、ビニール袋、マドラー、テイクアウト用容器などの使用禁止に向けて動き出しています。
環境大臣も2030年にはプラスチックごみのゼロを目指すと話すなど、国を上げて取り組む姿勢が鮮明となっています。
欧州連合(EU)
EU理事会は2019年5月、使い捨てプラスチック製品の流通を2021年までに禁止する法案を採択。
ストローやカトラリーなど、一般的に利用されている使い捨てプラスチック製品が禁止対象に。EU加盟国は発効から2年をめどに、これに対応した国内法を整備することになっています。
フランス
2016年1月に捨てプラスチック製レジ袋の使用を禁止するなど、他国よりも早く脱プラスチックへの取り組みを進めるフランス。2040年にはストローなど使い捨てプラスチック製品の使用を禁止するといいます。対象製品の使用禁止までのスケジュールも設定されているとか。
ドイツ
EUによる使い捨てのプラスチックを禁止する方針に対応し、2020年にドイツ議会がそれに従って作った法案を可決しています。これにより、2021年の夏からドイツではプラスチック製のストロー、カップ、スプーン、フォーク、その他食器類などがすべて禁止となるようです。
イングランド
イギリス政府は、イングランドで使い捨てプラスチック製のストロー、マドラー、綿棒の供給を禁止する規制を施行しています。
イングランド以外の英国自治政府については、ウェールズ自治政府、スコットランドがそれぞれ独自に規制に動きだしています。
脱プラスチックの動きは世界で加速!しかし課題も…
このようにプラスチック製ストロー廃止の流れは止まりそうにありません。もっとも、ストローの使用を中止してもフタなど他の部分にプラスチックが使われていたら、効果は半減ですね。
つまりストローだけの問題ではないということです。それに現時点で紙ストローの評判は決して良くないです。
SNSで評判を調べてみても
「飲んでいるうちにふやける」
「唇に張り付く」
「飲みにくい」
「まずい」
スターバックスの利用者からは紙ストローで飲むと「まずい」という声があがっているそうです。また、紙ストローは資源としての再利用が簡単ではありません。形だけの「エコ」で終わってしまい、そのまま紙ストローを廃棄処分したという話も言われています。
新たなストローも登場!
環境のために脱プラスチックを考える必要はあるけど、だからと言って不快な思いをしながら使うのも、どうなのかな?と思います。
プラスチックにしても、本当はゴミにしなければ大きな問題にはならないはず。
そんな中、最近では「マイストロー」が登場。素材はアルミやステンレスなど様々ですが、基本的には洗って何度でも使えるので環境に優しく、しかも経済的です。
マイストローやストロー付きボトルは100均でも買えます。例えばダイソーにはこんな商品も!
このように「脱プラスチック=紙」とは限りません。
これからの時代のために、自分にできることは何か。お店で紙ストローを見かけたら、環境問題について少しだけ考えてみても良いのかもしれません
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