色覚異常という「見え方の違い」
色覚異常という言葉を知っていますか?“異常”なんて、ちょっと怖く感じますよね。
多くの人とは色が異なって見えたり、少し違う色に感じてしまう状態を色覚異常といいます。色の区別がつきにくいのが大きな特徴で、例えば、通常なら赤に見えるものが緑に見えてしまうとか。これでは日常生活に困ってしまいますよね。
じつは多くの人が悩まされているんです。今回は色覚異常について説明したいと思います。
目次
じつは意外に多い色覚異常
人間が物を正常に見るためには、視力・視野・色覚の3つの機能が必要です。色覚異常はこの3つの機能のうち、色覚に異常がある状態です。この色覚異常には先天性と後天性の2つがあります。
先天性とは、 生まれつき異常があるもの
後天性とは、目の病気などで後から症状が出てしまう場合
症状には程度の差はあるものの、多くは「赤と緑」「茶色と緑」などの区別がつきにくいそう。
発症率は男性がおよそ20人に1人、女性だと500人に1人の割合だといいます。つまり、1クラスに1人以上いることになります。思った以上に多いですよね。さらに困ったことに、色覚異常は現代の医学では治すことが出来ません。
どういうときに困るの?
「色が見えない」といってもそんなに不便があるのでしょうか?実は日々の暮らしの中の色んな場面に潜んでいます。
・青色と緑色など信号の色が見分けにくい。
・晴れなのか曇りなのか天気がわかりづらい。
・標識や看板などで文字が見えにくい。
・ジュースやコーヒーなど飲み物の区別がつかない。
・肉が焼けているのか生なのかわからない。
こうしてみると私たちは普段の生活で、なんとなく色でものごとを区別をしていることがわかると思います。
きれいな紅葉を見た記憶がない
以前、色覚異常について特集していたテレビ番組を見たことがありました。
そこで取材を受けていた男性は症状について、
「緑の中にちょっとだけ赤が見えるとかで、見分けがつきにくい。きれいな紅葉を見た記憶がない」
と語っていました。多くの人はその美しさに感動する秋の紅葉も、色覚異常の人にとっては何でもないイベントなのかもしれません。
この男性は企業の採用試験で健康診断を受けた際に、色覚異常であることが分かったそうです。それまで異常を自覚したことがなかったのだとか。(上記画像のようなテストを見たことがある人は多いと思います)
「色盲」と言ってはダメ!
色覚異常という呼び方ですが、以前は「色盲」という言い方もありました。言葉の意味は色覚異常と同じですが、「盲」という言葉が差別的という見方があり、最近では使いません。
「色覚異常」あるいは「色覚障害」という表現が一般的です。
将来に影響はないの?
もし自分が色覚異常だとしたら、将来働けるのかどうか心配になりますよね。
日常生活に支障のない程度なら、基本的には問題なく働けるようです。信号機の「赤・青(緑)・黄」を区別できるのなら、車の運転も大丈夫だといわれています。
だれもが心地よい世の中に
決して少なくない色覚異常は決して他人事ではありません。そこで近年は、だれもが心地のよい配色を目指す「カラーユニバーサルデザイン」の導入が広がりを見せています。
異常を持つ人もストレスなくすごせる優しい世の中を目指したいですよね。次の記事では「カラーユニバーサルデザイン」についてご紹介します。実はNEONAVIのデザインも…。
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