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ジェンダーと役割「ジェンダーって何?」【心理士のお悩み相談室】

こんにちは。心理士の稲村です。

関東地方では、夏日だったり肌寒かったり気候が安定しません。最近、お天気と共に体調を崩しやすい子も多く、これを読んでくださっている皆さんは、元気に過ごせているかな?と、気になっています。

身体の調子は、メンタルにも影響します。疲れた時には、むちゃをせずゆっくりと休息をとってくださいね。

”女で娘だから”求められる役割

最近の私といえば、母親が心身の不調で先日救急搬送されたため、「親の介護」問題で少し頭を悩ませています。

母親の体調で悩んでいるのでは無く、その時の周りの反応や母から求められている役割について、とても悩ましい状況です。それは、私が女であって娘だからと、今まで求められて来たことの延長でもあるのです。ちょっと言い方がまわりくどいですね。

30年前までの女性の「役割」

具体的にどういうことかと言えば、私は10代の頃からずっと仕事をし続けてきました。大学は、子育てや仕事をしながら卒業したので、卒業するまでに6年かかってしまいました。

21歳の時に、父親の会社を手伝うよう頼まれて入社したのですが、その時私に父が求めていたのは、「きれいな格好をして、お客さんにお茶でもだしてくれ」という役割でした。私がそんなことを聞ける訳もなく、トラックで納品にいったり、人手が足りなければ、父の目を盗んで下の加工場にいって高速カッターを使って作業をしたりしていました。

ある日、打ち合わせに出ていた父が予定より早く戻って来たため、私が鉄パイプにペンキを塗っているところが見つかってしまいました。「女の子のペンキ屋さんなんて、あまりよいもんでは無い」と、父からすぐに作業をやめるよう言われました。

結局あとから入ってきた弟に、父は会社をつがせる気なのがわかっていたので、その後私は父の会社をやめ、更に25歳で起業したのです。(もっとも、私は弟のように建築士の資格をとる根性もなかったので)。

今でこそ、男女雇用均等法や女性の社会進出が当たり前と言われて久しいですが、ほんの30年くらい前は、まだまだ保育園の延長保育すらシステムとして整っていませんでした。子どもを育てながら仕事をするのがとても難しかったことを思い出します。育児や家事は、基本ほとんどが女性の仕事だったのです。

ジェンダー規範とは?

皆さんは、ジェンダー規範という言葉を知っていますか?

ジェンダーとは、簡単にいうと生物学的な性別でなく、社会的、文化的につくられた性別のことを言います。

そして、この場合の規範は、規則や基準と捉えてください。女性らしさや、男性らしさといった後から付け足された「らしさ」が基準となって、他からそれを求められるのです。

今回母が、仕事中だった私に真っ先に電話をしてきた理由は、私が彼女の娘だったからです。彼女が頼ったのは、同居している一番下の弟でも、会社をついだすぐ下の弟でもありません。説明を付け加えれば、私は母と仲が良いといえないため、ずいぶんと前に家を出ています。

それでも、やはり「娘だから」という理由で、こんな時は真っ先に仕事を放りだしてかけつけるのが当たり前になっています。

もちろん、迷惑をかけたりかけられたりが絶対嫌だ、と言っているわけではありません。

ただ、今回の場合「足が痛くて歩けない」と言っている母を私がかつぐこともできず、救急車を要請することになりました。その場にいたのが、私より身長も筋力もある弟たちだったら、自力で病院を受診させることができたかもしれません。

介護や看病が女性の仕事になった歴史は浅い

ところで日本は、伝統的に介護や看病が女性の仕事として当たり前だった過去があると思われがちですが、その歴史はそんなに長くありません。

武士の時代までさかのぼると、「看病断(かんびょうことわり)」と、いう看病休暇のような制度があったそうです。これは両親だけでなく、祖父母や妻子が病気のときにも利用できたようです。よかったら、検索して調べてみてください。

性差による点で言えば更に、昨今皆さんもLGBT(Q)という言葉を聞いたことがあるかと思います。しかし、これは近年において、差別されてきた性的な指向や自認について改めて考え、差別をなくそうという点に焦点があてられているようです。

では、日本でこのような差別がずっとあったかといえば、そうでもない。少なくとも100年以上前の都市部においては、気にもしないこととして存在していたことが、いくつかの文献を読んでみると理解できます。

そして気にもしないこと(当たり前のできごと)というのは、「悩む必要がないこと」「差別されないこと」でもあったと考えられるのです。

余談ですが、「勉強はつまらない、面白くない」と感じるのはきっと興味の無いことを詰め込まなければいけないからではないでしょうか。このように、自分に関係することを調べたりするのは、とても楽しい勉強だと私は思っています。

さいごに

今、私たちの周りにある「当たり前」や「らしさ」という価値観と考えは、本当に当たり前なのでしょうか?

時代の流れの中で変化し続けてている価値観とは、決して絶対的なものではありません。

最後に今回の母の件で、家族(弟たち)が「介護は姉貴の仕事じゃない。皆で協力しながら行政の支援をお願いしよう」という結論になったことを報告して、今日のお話はここまでにします。

何かご意見や相談がありましたら、記事のコメント欄へ書き込み、またはマシュマロで質問や相談を気軽に投げかけてみてくださいね。

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