オーストラリア在住・元国内/外資客室乗務員(CA)からエアライン就職サポートへ・フリン香織さん<インタビュー>
こんにちは!ベトナムの寺内です。
今回みなさんにご紹介するのは、日本国内や外資系航空会社で客室乗務員(以下CA)を経て、現在はオーストラリアに住みながらエアライン就職サポートやエアライン関係のオリジナルグッズ販売などを行われているフリン香織さんです。
CAのお仕事をはじめ、語学留学やワーキングホリデーなど様々な経験をされている香織さん。海外やCAのお仕事に興味のある学生の皆さんの参考になるお話を聞いてきました!
目次
フリン香織さん
1988年生まれ、兵庫県出身。
小学生の時に訪れたニューヨークで海外に興味を持ち、大学では国際言語学部で英語を専攻されていたそうです。高校時代・大学時代は短期語学留学をされ、日本国内でCAをされた後にオーストラリアへワーキングホリデーへ。その後オーストラリア人の旦那様とご結婚され、ご夫婦で京都市でゲストハウスを経営しながら外資系CAへ。
コロナ禍でオーストラリアに移住され、2021年9月にエアライン就職サポート事業「World Air」を立ち上げ、2022年3月にご紹介したCAのMARIさんと本格始動しました。
今回はそんな香織さんから貴重な話をたくさんお聞きすることができました!
小学校6年生で魅せられたニューヨーク
──海外に興味を持たれたきっかけは何ですか?
香織さん 幼少期に劇団に所属していたのですが、小学校6年生の時に初めてニューヨークに行きました。劇団の研修で初めて親元を離れニューヨークに行き、そこではブロードウェイ・ミュージカル「ライオンキング」の舞台監督のお話しを聞いたり、現地のアクターズスクールで様々な国籍の人とレッスンを一緒に行い、とても刺激を受け、「いつかニューヨークに住む大人になりたい!」と思いました。また同い年の女の子4人でニューヨークで道に迷ってしまい、道を尋ねても現地の英語が聞き取れず、地下鉄に乗れないというハプニングも経験しましたが、違う言語で意思疎通をする事の楽しさを覚え、海外に興味を持つきっかけとなりました。
──その後留学などされたのですか?
香織さん 小中高と海外に惹かれながら過ごしていました。高校では夏休みにカナダへ2週間ホームステイへ行き、大学も休学せずに語学留学ができるプログラムの入っているところを選びました。
大学からCAを目指すまで
──大学ではどちらへ留学されたのですか?
香織さん 本当はアメリカへ行きたかったのですが、選択できる都市がカナダかオーストラリアのみで、オーストラリアのキャンベラに9ヶ月留学に行きました。実はキャンベラは第4候補で希望を出した都市だったのですが、ホームステイ先にも寮にも恵まれ、文化を知るきっかけになり、そこで今の夫にも出会ったので結果的には良かったです。(笑)
──素敵ですね!そのまま日本に戻られて就職活動されたのですか?CAを目指されたきっかけは何だったのでしょうか?
香織さん 就職活動をする前に周りの友人と就活先について話をしていると、CAやエアライン関係を目指す人が多かったんです。それまでCAは“凄い人がなる仕事”と思っていたのですが、自分も目指していいものなんだ!と思い、そこからCAを目指すようになりました。CAを目指すと決めてからの行動力は自分ながら凄まじかったです。
新卒でCAの世界へ
──新卒ではどのような会社に入られたのですか?
香織さん 新卒では日本国内の某航空会社のCAに就きました。ただずっと“ニューヨークに住みたい”という夢が忘れられず、25歳で退職し、3ヶ月間ニューヨークへ行きました。その後アジア系のCAになりましたが、遠距離恋愛をしていた夫との結婚を見据え、オーストラリアへワーキングホリデーに行きました。
──そのままオーストラリアに住まれたのですか?
香織さん いいえ。その後夫と入籍し、京都へ移住しました。“小さなホテルを経営する”のが夫の夢で、ちょうどいい物件が見つかったので、そこで夫婦でゲストハウスを始めました。私はゲストハウスを運営しながらOLもやっていましたが、やはりまたCAの仕事をしたいという思いがあり、夫に相談したところ応援してくれ、再度外資系のCAになりました。
しかしCAに再再就職した2年後の2020年にコロナのため解雇されました。ゲストハウスも外国人のお客様が殆どだったため、そちらにもコロナの影響がありました。そしてゲストハウスは他の人へ委託し、2021年1月にオーストラリアに移住しました。
コロナを機に始めたエアライン就職サポート
──エアライン就職サポート「World Air」を立ち上げたきっかけは何だったのですか?
香織さん 私自身日本国内や外資の3社のCAを経験し、何回もCAという職を離れながら、何度もこの世界に戻るのは、CAが天職だからだと思いました。
しかしコロナの流行で、CAを目指している多くの方が一度立ち止まらなければならない事態になりました。エアラインの採用がどんどん停止されていく中、同じようにCAを目指している方々の希望が薄れているのをSNSやニュースを通して感じていました。
自分の強みはなにか?と考えた際に、これまでの3社でのCA経験とその繋がりだと思いました。それらを活かし、少しでも現役や元CAの方とCAを目指している方を繋げ、再度モチベーションを上げるきっかけになればいいなという思いから始めたのが「World Air」です。
──様々なキャリア(航空会社)の現役や元CAさんと繋がれるのは、目指している方にとってとても心強いですね。
香織さん 「World Air」では エアラインスクールとは異なり、テキストは一切なし・型にはまった答えもしない、実際に内定をもらったアドバイザーのそれぞれが思う通過のコツやポイントを伝授していくという方法をとっています。そしてMARIさんのカリスマ性、相手の個性を見つけ出す能力と的確なアドバイスができる才能をもって、始動してからたった10ヶ月で36名のCA合格者(内エミレーツ航空10名)を輩出することが出来ました。
WAはどんどん面白くなっていきます!これまではオンラインのみでしたが、対面でのレッスンを今年中に開始予定です。また、スクール業以外にもどんどんチャレンジしていく予定です。内容は言えませんが、WAに関わっていて良かった!と将来的に思って頂けるような内容ですので、数年後を楽しみにしていてください!
やりたいことがわからない10代へー可能性や選択肢を増やす
──やりたいことがわからない10代に対して何かアドバイスはありますか??
香織さん 私は目先の海外留学という夢ばかりを追っており、その先の将来まで見据えて大学選びをしなかった点に後悔をしています。(ただこの大学に行かなければ今の夫に出会う事はなかったので、人生とは面白いなぁとも思います。笑)
この経験から、これから大学選びをする方にはやりたい事が決まってない方こそ、自分の可能性や選択肢を増やすためにもなるべくランクの高い大学を目指されると良いのかと思います。やはりまだ学歴社会は根付いているので、就活でも「そこの大学に入っただけの努力ができる人」という評価、それだけでプラスアルファになります。その中で、自分がしたい事をゆっくり見つけていったら良いと思います。将来したい事が決まっている方は、そのまま自分がいきたい大学や道に進んでいかれると良いかと思います。※CA職に関しては学歴は関係ありません。
資格も同様です。実際に役に立つかは別として、その資格を取ったという努力の部分はプラスに見てもらえると思います。CA職であれば、TOEICや英語力がある方の通過率は実際に高いです(会社による)。
また興味があること、やりたいことはどんどんやってみて欲しいです。その経験が、自分の自信や芯の強さに繋がります。例えばワーキングホリデーは年齢制限があるので、行きたいと思っている方はぜひ早めに。留学も、10代で行っていたら見え方や習得力も違ったかなとも思います。
──ワーホリに行く際のアドバイスは何かありますか?
香織さん なるべく日本食レストランでは働かないこと、ですね。せっかく海外に行くのですから、語学だけでなく、働き方や価値観・文化を学ぶにはローカルジョブ(現地のお店や会社)を見つける事をおすすめします。ただ実際に見つけるのは大変です。私は、自分のレジュメ(履歴書)を持ち歩き、ショッピングセンターや路面店などお店1つ1つを周り、レジュメを直接渡したりしていました。また、そのためにはある程度の英語力が必要にはなってきます。
CAを目指す学生へ、会社の選び方
──ありがとうございます。また、CAを目指している学生に対して、日本国内・外資系航空会社の違いを教えてください。
香織さん 日系は、キャリアアップ志向の方、ゆくゆくはCA以外の職種も経験してみたい方に向いていると思います。その分、常に昇級訓練やテストもあり、責任感もどんどん重くなるので、それに耐えれる忍耐をお持ちの方であれば楽しいと思います。また、良くも悪くもルールがきちんとあります。そのルールから逸れてしまうと叱られたり、マイナスに評価されてしまう場合もあるので、その堅苦しさを窮屈に感じてしまう方は、外資系が向いているかと思います。産休や育休、フライト時間を選べたりと、福利厚生がとても整っているのが日系の最大の強みです。安心感が欲しい方は日系が良いかと思います。
外資系は、大きく分けて3種類あります。①一番多いのが、日本人CAとしての採用(主に日本路線を飛ぶ)②いちCAとしての採用(現地ベースで、世界中を飛ぶ)③現地にて現地クルーとしての採用(永住VISAなどが必要な事が多い)。
③は働きたくてもVISA等の関係で働けない方が多いので除外しますが、①と②に両方に共通して言えるのは、あくまで外国人クルーという立場なので、どれだけ勤めても基本的にはCAというポジションのままだという点です。一部パーサー(CAを統率する立場)まで昇級できる会社もありますが、それほど多くないのと、機内のCAという立場には変わりない(部署異動がない)です。その分、ずっとCAとして活躍したい方、昇級などのプレッシャーやストレスがないので、一回一回の楽しくフライト終われたらいいやー!という方にはとても向いていると思います。(私はこちら側でした。笑)
また日系と違い、ルールはあっても、その時その時のパーサーの判断によって対応が異なる事や、ルールもしょっちゅう変わります。その為、それを都度受け入れる頭の柔軟性や対応力が必要となります。それが合わない方は、外資系に嫌気がさし、日系に転職される方が多いです。
また外資系は上下関係がないと思われがちですが、アジア系のエアラインであれば普通に日本のように上下関係はあります。日本人同士でも勿論ですが、現地クルー同士もあり、日本よりも厳しい上下関係の国もあります。ですので、上下関係が嫌で外資にいきたいと思っている方は要注意です。
“自分を愛すること”とは?
香織さん 誰かのために実際に行動を起こすという事が、私自身の"自分を愛する"事や私自身のエネルギー源に繋がっているのだと思います。
本気で夢を追う人間のパワーや輝きは凄まじいものがあります。そして周りにも良い影響を与えてくれます。私も既に30代ですが、まだまだやりたい事、そして夢に挑戦し続けられるのはWA生がくれるパワーや周りの方々の支えのお陰だと思っています。
10代や20代の皆さんは、まだまだ無限の可能性を秘めています。今夢がなくても全く問題はないので焦らないでください。本当に小さな事でよいので、一つ目標を作りそれに取り組む事から始めてみては如何でしょうか?その先に何かが見つかるかもしれません。
まとめ
エアライン就職のサポートやエアライン関係のオリジナルスマートフォンケースやグッズを販売も行っている香織さん。今後またCAの仕事へも挑戦予定だそうです!
香織さん、貴重なお話をありがとうございました!
CAを目指している方:@world.air_ca
エアライン関係のオリジナルグッズ:「sora airways」
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