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【電動アシスト自転車】基準に不適合製品を使用すると違反なの?

いわゆる「電動アシスト自転車」は、道路交通法上「駆動補助機付自転車」といいます。電動式の駆動補助装置が付いているので、坂道や長距離を走行するときなどには楽で便利。

ですが近年、法律で定められている基準に適合していない製品も販売されています。

そのため電動アシスト自転車の購入などをする際、気をつけないと大変なことになります。そこで、今回は電動アシスト自転車について説明します。

電動アシスト自転車の普及

電動アシスト自転車は、1993年に日本で開発された製品で、その利便性の良さなどから普及してきました。

経済産業省の調査結果では、2018年には一般家庭で保有する自転車に占める電動アシスト自転車の割合は7.5%。

なんと、2018年上半期に日本国内で製造された自転車(約45.6万台)のうち67%(約30.6万台)が電動アシスト自転車だといいます。

電動アシスト自転車とは?

電動アシスト自転車は、ペダルをこぐ力を電動モーターが補助(アシスト)する仕組みの自転車人力でペダルをこがないと走行しない構造なのです。

電動アシスト自転車については、道路交通法施行規則(第1条の3)で、「人の力を補うため原動機を用いる自転車」として以下のような基準が定められています。

  • 搭乗者がペダルをこがないと走行しない構造であること
  • 時速24キロメートルまでアシスト機能が働き、時速24キロメートルを超えると補助がなくなる構造であること
  • 改造することが容易でない構造であること

など。基準に適合していなければ、「自転車」として道路を通行することはできません。

電動アシスト自転車は、人力で走る製品

電動アシスト自転車は、その名のように「電動力(モーター)がアシスト(補助)するタイプの自転車」なので、「電動力」だけで走ることはできません

実は、似たようなものですが、特定原付、電動自転車(フル電動自転車)という一般原付などに区分されるものがあります。

法律でそれぞれの性能基準等が定められていることから、製品の出力や性能等によっては、同じような形状の製品でも「電動アシスト自転車」、「特定原付」、「一般原付」などの区分に分類され、運転免許が必要になったり、運転ルールが異なったりします。

電動アシスト自転車を購入するためのポイント

では、電動アシスト自転車を購入したいときや家にある電動アシスト自転車が基準に適合しているのかを確認するにはどうしたらよいのでしょうか? 購入するときの判断ポイントを記載します。

①形状等をみる
電動アシスト自転車は、あくまでも自転車です。自転車の形状をしておりペダル等を用いて、人の力によって運転するものかどうか確認しましょう。

②人の力をアシストする自転車
アシストする自転車、つまり人がペダルを踏む力を補助する電動装置が付いている自転車のことです。電動アシスト自転車は、電動力だけでは発進・加速することができません。

③最高速度等
電動装置は、アシスト力が時速24kmになると解除される機能を備えている装置です。時速24kmを超えるとアシスト力がゼロになり、人がペダルをこぐ力だけで走行します。

④切り替え式はダメ
人力走行と、電動力だけの走行をスイッチ等で切り替えることができる機能が付いている自転車は「電動アシスト自転車」ではありません。出力に応じた運転免許(例えば原付や二輪免許)が必要になります。

※自転車と原付を切り替えて使用できるいわゆる「モビチェン」といわれる製品は、電動アシスト自転車の区分には入りません。

➄TSマーク(型式認定)が貼付されている製品(国家公安員会認定製品)
型式認定を示すTSマーク(黒色)は、電動アシスト自転車として道路交通法などに規定されている基準に適合した自転車として国家公安委員会から認定を受けた製品に貼付できるマーク(図参照)です。

なお、製造事業者等が型式認定を受けることは任意ですが、黒色のTSマークが貼付されている製品は基準に適合しているといえます。

以上、主なポイントを記載しました。カタログや製品の仕様、Webショップの商品情報や注意書き(小さい文字で書いてある場合あり)などをよく確認し、または店員に確認するなどして、基準に適合した製品を購入し使用しましょう。

※電動アシスト自転車以外の電動自転車や電動バイク等については別の機会に記載します。

基準不適合製品を使用すると

電動アシスト自転車のアシスト比率が、道路交通法上の基準の上限を超えているなど基準に適合しない製品は、急発進や急加速の原因となるほか、過大なアシスト力が不意に加わってバランスを崩したり、スピードが出過ぎて交通事故につながるおそれがあるため危険です。

また、「電動アシスト自転車」として販売されている製品でも、性能の基準を満たさないものは、原動機付自転車または自動車扱いとなり、公道で運転すると無免許運転や無保険車運行違反として運転者が罰則の対象になることがあるので要注意です。

基準不適合製品による事故等の例

基準不適合製品を使用中の事故、販売業者等が違反として検挙された例を示します。

<違法電動アシスト自転車での事故>
2021年10月、ペダルをこがずに自走できる違法電動アシスト自転車を路上で運転中の甲(男性)が、Aさん(女性)運転の自転車と衝突しAさんに怪我をさせた交通事故。

甲が運転していたのは違法な製品で運転免許が必要な製品であったことから「無免許過失連転傷害」の疑いで逮捕された。逮捕された男性は事情聴取に対して、自転車同士の事故とうその供述をしていたという。

違法電動アシスト自転車はどこで販売されているのか

基準に適合しない電動アシスト自転車は、Webサイトなどで販売されているので注意してください。

国民生活センターや警察庁などが電動アシスト自転車として販売されている製品の性能試験を実施したところ、アシスト比率が高いなど基準に適合しない製品が複数あることが判明しています。

検索してみると、違法な電動アシスト自転車がオークションサイトやネット通販で販売されています。なかには「こがずに自走できる”フル電動アシスト自転車”」などと銘打って販売されているものもあります。

おわりに

国民生活センターと消費者庁、警察庁などは、事故につながるおそれがあるとして違法電動アシスト自転車の製品名を公表し、使用を控えるよう呼びかけています。

なお、当該事業者の販売サイトはサービスを終了していて購入先と連絡が取れない場合など、困ったときには、「消費者ホットライン」188(いやや)や警察に相談しましよう。

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