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【Uターン就職】福島・西会津町のゲストハウス「ひととき」私設公民館「いとなみ」運営・佐々木祐子さんインタビュー

こんにちは!ベトナムの寺内です。

今回皆さんにご紹介するのは、福島県西会津町にてゲストハウスや私設公民館を運営されている佐々木祐子(ささきゆうこ)さんです。

今回はそんな佐々木さんにUターン就職のきっかけや、ゲストハウスや私設公民館の開業についてなど、これからの進路に悩んでいる学生さん必見の内容となっています!

佐々木祐子さん

1987年生まれ、福島県郡山市出身。中央大学文学部卒業。

大学在学中に都内の制作会社にてアルバイトをし、そのまま入社。仕事をしながら都内の自由大学に通う。新卒1年目の冬に東日本大震災が発生、自由大学での「東北復興学」をきっかけに、2015年に地元・福島県へUターン就職をしました。

南相馬市にて小中学生の人材育成事業のコーディネーターを経て、2017年に夫婦で西会津町に移住。「地域おこし協力隊」として観光をテーマにした活動をしながら、2018年にゲストハウス「ひととき」を開業。コロナ禍を経て、2021年に私設公民館「いとなみ」をオープンしました。

ゲストハウスやワークプレイスにて大学生・社会人を対象の「暮らし体験インターン」、小中学生向けに長期休み中の「ワークキャンプ」や、ゲストハウスに併設したカフェでは様々なワークショップを行っています。

ゲストハウスを始めたきっかけ

ゲストハウス「ひととき」

震災をきっかけにUターン就職

──大学卒業後から現在までの経歴を教えてください。

佐々木さん 大学在学中から都内の制作会社でアルバイトをしていて、卒業後はそのままその会社でCSR活動の企画支援をしていました。当時“朝活”や“サードプレイス(自宅や学校、職場ではない、居心地の良いカフェ等の「第3の場所」のこと)が流行り始めており、仕事の始業後の時間などに自由大学に通い始めました。

──自由大学は何年、とか通ったりするものなのですか?

佐々木さん 自由大学の講義はひとつのテーマを全5回で学ぶスタイルです。年齢制限や資格は必要なく、募集中の講義がホームページに随時掲載されているので、自分の好きなことや学びたいことがあった時に申し込むことができます。

新卒1年目の冬に東日本大震災が発生し、私の地元・福島県も甚大な被害を受けました。故郷の被害を目の当たりにした時に「自分にも何かできることをみつけたい」と自由大学で「東北復興学」の講義を受けました。そこでの対話や出会いを通して地元にUターン就職をすることを決めました。

自由大学・東北復興学にて

南相馬市から西会津町へ

──Uターン後はどんな企業へ就職したのですか?

佐々木さん 2015年に地元に戻り、南相馬市で子供たちの人材育成事業を行う会社に入りました。震災から4年経っていましたが、まだ復興が遅れていたり、支援が必要な状況でした。福島の復興や支援への取り組みをする様々な年代の方や起業家の方を目にして、「自分でも何かやりたい」と強く思うようになりました。

その時に夫と出会い、「一緒にゲストハウスを作ろう」という話になりました。スタートアップを行うのであれば南相馬市よりも人口の少ない自治体でじっくり知名度を上げていきたいと思い、2017年に西会津町に移住しました。

──西会津町では「地域おこし協力隊」もされていたそうですが、どのような活動を行われていたのですか?

佐々木さん 移住を決めた時にちょうど西会津町の「地域おこし協力隊」の観光部門の募集があり、ゲストハウスの開業準備と並行して、「地域おこし協力隊」としてイベントの企画・運営などを行なっていました。

ゲストハウス「ひととき」と私設公民館「いとなみ」

──2018年に開業したゲストハウス「ひととき」はどのようなゲストハウスですか?

佐々木さん 20年間空き家だった旧細木下駄屋を私たち夫婦や仲間とリノベーションしたゲストハウスで、私たちの住まいの一部を宿として開放しており、私たちと共に暮らすように田舎でのひとときを体験できる宿泊施設になっています。和室が2部屋と共有スペース、そして宿の入り口には旅人と地域の人の交流拠点として併設したカフェ&バースペースがあります。現在は東京から移住した女性が昼間はスパイスとパフェのお店「CHAMISE」を運営しています。

カフェの様子

──どのような宿泊者の方が利用されていますか?

佐々木さん コロナ禍以前は開業前に自分たちが訪れたゲストハウスで出会った方など、利用者は友人ベースでしたが、コロナ禍では福島県内在住者の方や大学生が多くなりました。

その中で私たちのテーマとして宿だけでなく、「旅人×地域」「自己内省・暮らしの提案」をできたらと考え、1日をかけて宿がある集落を楽しめるよう、2021年に私設公民館「いとなみ」をオープンしました。

──こちらもご自身でリノベーションされたのですか?

佐々木さん はい。「ひととき」から徒歩3分のところに空き家があり、そちらをセルフリノベーションしました。「ひととき」は1階が私設図書館、2階がシェアスペースになっています。

私設公民館「いとなみ」の内観

やりたいことがわからない10代へー自分で動く

台湾の学生とクッキング

佐々木さん 今の時代はインターネットを通して情報が集めやすい分、知識や理論が先行してしまいがちですが、他人の経験談よりも自分の行動や感じたことが大事だと思うので、興味や気になることがあったらまず自分で動いてみることをお勧めします。

以前学生の宿泊者の方で、全国をヒッチハイクして地方の著名人を訪ねる旅行中の方がいましたが、ゲストハウスで一緒に夕食を食べながら話していところ、「みんなの真似をしてヒッチハイクを始めてみたが、本当は自分には向いていなかったかも。もう家に帰りたい」と泣き出してしまい、自分のことがわかることは大事、無理をしないで今回は旅を終えて帰ればいいよ!と駅まで送り、新幹線に乗せて家へ帰らせた経験があります。

学生のうちは大きい結果を求める傾向にあるように感じますが、小さいことからコツコツ始めることや自分を知ること、外を見ることも大切にしてほしいです。

“自分を愛すること”とは?

暮らし体験の様子

佐々木さん 自分が何をしたいか知ること、自分の好きを大事にすることだと思います。先程のお話に通ずるものがありますが、自分の人生は自分でしか決められません。

何かに迷ったり、悩んだ時に戻れる場所があるといいと思います。料理や手仕事、本を読むなどでもいいですし、知らない場所に身を置いてみるのもお勧めです。そんな時に「ひととき」がお役に立てたらとても嬉しいと思います。

まとめ

田植えの様子

貴重なお話を聞かせてくださった佐々木さん、ありがとうございます!

先日「ひととき」のスタッフが南インドの学びの旅から戻ったとのことで、今年はアーユルヴェーダや南インド料理を学ぶワークショップにも力を入れているそうです。

通常の宿泊以外にも、子供の教育事業も行なっており、夏や冬の長期休みには農業体験や地域交流を目的としたワークキャンプ、その他学生・社会人インターンや長期滞在スタッフなども募集することもあるそうです。

気になる方はインスタやnoteをチェックしてみてくださいね。

佐々木さんの愛猫・しらたまちゃんとすーちゃんも「ひととき」の一員です

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