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【俳優・関口蒼】"役者なんてできない"と思っていた彼女が役者に沼る理由と役者業の魅力

新世代ダンスボーカルユニット“TEMPURAKIDZ”として8年間活動し、2019年から俳優業に転身した関口蒼さん。芸能人生のキャリアを一区切りされたものの、これからは俳優として生きていくことを決断した彼女にはどのような葛藤や展望があったのでしょうか。

そんな関口蒼さんに、役者業を目指したきっかけや魅力を語っていただきました。

関口蒼 <プロフィール>

1999年1月21日生まれ、東京都出身。新世代ダンスボーカルユニット“TEMPURAKIDZ”として2013年から2021年まで活動。並行して2019年から本格的に女優としての活動を開始し、映画では『アルム』(2021/野本梢監督)、『彼女たちの話』(2022/野本梢監督)に出演、2021年リリース ジェニーハイ「華奢なリップ」feat.ちゃんみなMV出演&ダンサー振付に携わり、2022年5月には舞台「レ・ミゼラブル〜惨めなる人々〜」に出演するなど活動の幅を広げている。

「役者なんてできない」と思っていた過去、でも気づいたら沼っていた

ーまず始めに、自己紹介をお願いします。

現在23歳の関口蒼です。

2019年から本格的に俳優業を始めました。好きな映画は、「リリーのすべて」です。大人になり、愛を知った今見ると深い作品で、最近さらに好きになりました。

ー俳優業を始めてからの生活スケジュールをお教えください。

私はまだ駆け出しなので、スケジュールの差が激しいです。

俳優業は、徐々に仕事が増えていくわけではなく、シンデレラストーリーのようにある日を境に急に忙しくなることがあります。

ー俳優業をしていて大変だと感じることはありますか?

俳優業を始めた頃は、周りの方についていくので必死で。朝から晩まで演技のことを考えていたので、切り替えがうまくできず大変でした。

とくに、初めて舞台に出演した時は、周りのキャストさんとの実力の差を感じ、日々ついていくのに必死でした。寝る前も朝起きても、ずっとセリフのことを考えているような感じです。

俳優業は経験値が異なる人たちが一緒に仕事をすることが多いので、駆け出しの俳優にとっては、必死についていきながら、うまく切り替えて自分をケアすることが大変なんじゃないかなと思います。

ー蒼さんが俳優を目指したきっかけはありますか?

新型コロナウイルスが流行り出して、家にいる時間が長くなった時に自分自身を見つめ直したことがきっかけです。

もともと“TEMPURAKIDZ”としてダンスボーカルグループを8年間やっていたので芸能活動はしていましたが、コロナの時期にライブ活動ができなくなりました。

「これからどうしよう」と思いつつも、引退を考え始めていた頃で。そんな中周りから「俳優の道も考えてみれば?」と声をかけてもらうことも多々あって。でも、「俳優なんて自分にはそんな覚悟ない」「俳優なんてできるわけない」と思っていました。

俳優への道を頑なに拒否していたら、当時のマネージャーから「君は固定概念が強くて、自分の知っている世界だけで生きている人間だから、一回俳優を経験した方がいい」って言葉をかけられて。嫌々でしたが、演技のレッスンを受けてみることにしました。

でも根が真面目なので、目の前の出来事には真剣に取り組みました。それで俳優業を始めたら沼でしたね(笑)

人として面白い生き方ができるか

ー蒼さんが俳優業に進むにあたって、不安に感じていた部分はなんでしょうか?

ビビリだから、新しい道に進むのがすごく怖かったんです。

小さい頃から芸能活動をしていたので、ありがたいことに気づけばお仕事が用意されていました。用意されたお仕事をこなせば、成り立っている世界でしたね。あとは、今までグループで活動していて、そこから急にひとりで活動することにも不安がありました。

ー俳優業を始めてから気をつけていることはありますか?

魅力的な人間になれるように日々研究しています。

例えば、「主役になりたい」って思った時、映画であれば約2時間その主人公を見れるくらい魅力的な人でないと、作品として成り立ちません。そうなったら、自分の世界だけでは生きていけないし、人への接し方や自分の殻を破る必要があると気づきました。

だから人に対して、抱いた感情を相手に伝えるようになりましたね。俳優を始める前は「こういうことは余計だから言わなくてもいいよね」と省エネで生きていた人間でした。

でも例えば、人との関係性においても喧嘩しない方が楽だけど、思ったことをちゃんと伝えて一歩踏み込むようになったんです。その方が人として面白い生き方ができていると感じています。

"全ての経験が役に生きる"自分の人生映画を見なが日々生きている

ー蒼さんが感じる女優業の魅力は何でしょうか?

自分の成長欲求を満たせることがやりがいです。

私、幼少期は寝返りやハイハイするのがすごい早い子どもでした。だから自分の根本には、成長欲求の強さがあると思っています。俳優業って、その成長欲求を満たせるんですよ。

お芝居をやっていく中では、役が抱える悩みや苦悩など今までの自分は経験したことがないこともたくさんあります。でも、役と一緒に成長できている感覚が私の成長欲求を満たしてくれて。

成長欲求を満たせる魅力に気づいた時、俳優として売れようが売れまいがこの仕事は続けられると思いました。

ー俳優業をやっていて、仕事のやりがいを感じる時はありますか?

日常生活のすべての感情や経験が役に生きてくることです。私は実際、失恋した時に「この感情は俳優で使える」って思いました。(笑)

これだけ傷ついているのに、これが職業に生きると思ったらやりがいですよね。私の役者の知人も、親が亡くなった際、親の遺品を泣きながら写真撮ったって言っていて。

あとは、日々気づきが多いことも俳優のやりがいです。最近ですと、「日々の日常で生まれてくる悲しさや嬉しさの感情は娯楽」だと気づくことができました。

ー蒼さんが感情は娯楽だと気づいたエピソードはありますか?

私は比較的、感情の波があるタイプで。感情的になってしまう自分が嫌いな時期もありました。でも感情的になるのは、昔の人が命の危機を感じた時に発動する人間の本能が働いている証拠だそうです。でも現代において命の危機に関わることってそんなにないから、私たちは感情的になる脳の働きを、映画やドラマで娯楽として使っているそうです。

「感情は娯楽」って気づくと、起伏が激しい自分の生活も楽しめるようになりました。

なんだか、日々自分の人生映画を見ているような感覚です。悲しいことや辛いことがあっても「自分を俯瞰して自分の人生映画を楽しめばいいのだ」と思えるようになりました。

関口蒼さん出演作『彼女たちの話』予告編

「原体験を探る習慣と感謝の気持ち」が自分探しと自己愛につながる

ーNEONAVIには、10代でやりたいことが分からず悩んでいる読者が多くいます。蒼さんは10代でやりたいことを見つけるにはどうすればいいと思いますか?

小さい頃の記憶を探ったり、親に聞いたりするといいと思います。

些細な日常生活の中でも、ワクワクしたり、楽しいと感じたりすることはあると思うんです。でも、やりたいことが見つからない人は、その感情に気づいていないのか無視しているのではないかと思います。

ワクワクした感情に気づいたとしても、なんで自分がワクワクしているのか言語化するのも難しいです。私はその理由を探るために、原体験を探ることがあります。「自分が小さい頃何をして遊んでいたのか」「何に夢中になっていたか」「スポーツはみんなでやるのが好きだったのか。ひとりでやるのが好きだったのか。」考えるようにしています。

自分の原体験ってなかなかひとりでは見つけにくいので、親に聞くのもひとつの方法ではないかと思っています。

"自分を愛すること"とは?

ー自分を愛することとは何でしょうか?

自分を愛することは、私自身もまだわかっていません。

自分を愛することってすごく難しいことではないでしょうか。そもそもみんなが自分を愛せていたら、すごい平和な世界があるはずだと思います。でも、みんなそれぞれ自分を愛せていないから、まだまだ世の中は混沌としているのではないでしょうか。

例えば、誰かに何かしてあげた時に「これだけしてあげたからこれだけ返してほしい」「人とのコミュニケーションは平等でありたい」と思って相手に強く当たってしまうことは誰でもあると思うんです。

だから、無償の愛って本当にすごいと思います。でも無償の愛は、自分を愛せていたらできるのではないかと思っていて。自分を愛せていないと、愛されたい欲求で自分を満たそうとしてしまうのではないでしょうか。

また、何事にも感謝することは自分を愛する近道ではないかと思っています。

ヨガの太陽礼拝では、自分の気分がいい日も悪い日も、いつも頭上に上りエネルギーを与えてくれる太陽に感謝する習慣があります。太陽からのエネルギーや自然の恵みも、無償の愛ですよね。太陽に感謝できていたら、絶対隣の人にも感謝できると思うんです。

そういう当たり前のものに対して感謝の気持ちを持つことが、自分を愛すために大切ではないかと思っています。ヨガのように自分の知らない世界に一歩踏み入れると自己愛につながることもあるかもしれませんね。

ーありがとうございました!今後の関口さんのご活躍を応援しております!

今後の映画・ドラマ出演情報

関口さんが今後出演する映画・ドラマ情報をお伝えします。

『ゴールド』

<概要>
グッナイ小形『きみは、ぼくの東京だった』MVから生まれた長編映画『ゴールド』。主演は小畑みなみ×サトウヒロキ。MVを監督した知多良脚本によるオリジナルストーリー。生活と仕事と誰かと生きることの映画です。

クラウドファウンディング:https://motion-gallery.net/projects/gold_cinema

▼関口蒼さん公式情報
Instagram:@ao_sekiguchi 
Twitter:​​@ao_sekiguchi

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