誰もいない暗闇の道路で自転車事故?
夜間に自転車を運転中、ヒヤッとした経験はありませんか?
たとえば、十字路交差点や曲がり角で自転車同士による出合い頭の衝突。
明るい時間帯ならカーブミラーを確認することで、歩行者や自転車の存在をあらかじめ知ることができます。ですが、夜間はカーブミラーの存在自体が見にくく、特に歩行者や無灯火の自転車などの存在に気づかずヒヤッとすることも多いですね。
歩行者に気づいている時でも、歩行者は予期せぬ歩き方をすることがあります。前方の歩行者が何かを避けた拍子に急に道路側にくらみ、自転車の進路上に出てきて衝突しそうになったことも何度かありました。
夜間の暗い道路で起こる事故は、必ずしも相手が“動いている”とは限りません。時には道路上の「物体」に激突してしまうこともあります。
今回はそんな経験をご紹介します。
目次
郊外や裏通りは明かりが少ない
生まれも育ちも都会という人にはピンとこないかもしれませんが、地方や郊外の比較的狭い道路には街灯の数が少ないです。街灯と街灯の間隔が長く、次の明かりまでが遠いので、暗いところがあります。
その日私が自転車で走っていた道は、両側が野菜畑でした。街灯も少なく、家の明かりもないので、わずかな月明かり程度でほぼ真っ暗。自転車のライトを点けていても、直前は見えるものの数メートル先の状況はよく分かりません。相手が黒い服を着ていたり、無灯火運転だったりするともう最悪、全く見えません。 そういう道路なので、普段は日中より速度を落として安全運転に心がけていました。
スピードを出した挙句事故に
しかしその日は・・・・・。
夜の8時頃、予定より帰宅が遅くなったので少し急いでおり、いつもより自転車のスピードを上げて走っているときに予期せぬ衝突が起きてしまったのです。
暗い道路でしたが、歩行者や自転車、もちろん車もいなかったので、速度を出して走っていたところ、急に目の前に大きな黒い物体が自転車のライトに照らし出されたのです。
瞬間的に「やばっ!」とブレーキを掛けながらハンドルを横に切りましたが、間に合わずに衝突。乗り上げて、そのままバランスを崩して転倒してしまったのです。
一体なにが起こったのか・・・。突然の出来事に理解が追いつきませんでした。 起き上がって、持っていた懐中電灯で照らしてみたところ…
なんと正体は自転車!
道路に自転車が横倒しになっていたのです。
道路の脇に止めておいた自転車が倒れていたのかもしれませんが、暗い道路で見にくく、何とも迷惑な危険物。周りを見渡しても誰もいないので所有者もわからない。この怒りをどこにぶつければいいのやら。
私は幸いにもかすり傷で済みましたが、一歩間違えば骨折など、大きなケガを負っていても不思議ではない状況でした。暗い夜道に横倒しの自転車があるなんて想像もつきません。
体に負った傷のことも、お気に入りのシャツが転倒の際に擦り切れてしまったことも大変ショックでした。
時々、自転車で転倒して骨折したり、打ち所が悪く寝たきりになったり、亡くなる人もいるそうです。
このように事故は人同士でなくても起こります。
夜間は道路状況が見にくく、歩行者や落下物などと接触する危険が高まるそうです。昼間より速度を落として安全を確認しながら運転しなければいけないと反省しました。
そして、万が一自分が転倒し、入院するとなると家族に大変な負担をかけてしまいます。そうならないためにも、転倒事故の補償がついている自転車保険に加入するなど、事前に行える対策を徹底する必要がありますね。
他人事じゃない自転車事故。
みなさんも一度「自分が事故に遭ってしまったら」どうなってしまうのか。考えてみることが大切です。
記事監修NEONAVI顧問
長嶋 良
佐賀県警本部長や全日本交通安全協会事務局長など歴任
一般社団法人全国道路標識・標示業協会 理事
一般社団法人日本高視認性安全服研究所(JAVISA)アンバサダー
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