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「交通安全は家庭から」自転車に乗る全ての人へ告ぐ言葉

元県警察本部長の長嶋良氏にお話を聞きました。自転車保険と交通安全シリーズ第二弾は、「交通安全は家庭から」の想いについて。NEONAVI読者層だけでなく親子一緒に読んでもらいたい記事です。

第一弾はこちらから

交通安全教室をやった帰りに信号無視

(NEONAVI編集部、以下略)「交通安全は家庭から」という言葉が、昔からあるとおっしゃいました。

(長嶋・元県警察本部長、以下略)はい。大人の方も交通安全を意識してルールを守ること・ルールを教えることができていないように思います。

私が県警の巡査部長だった頃に、保育園で交通安全教室を行ったときです。お母さんたちも一緒でした。交通安全教室を聞いていたお母さんたちは、「うんうん」とその時は理解してくれているようなそぶりでした。

でもそのあと・・・・、閉園時間になって子どもたちを自転車に乗せて帰るのですが、交通安全の話を聞いていたお母さんたちが信号を無視して帰っていく…。

ーーえー(笑)。

今でもそういうことがあるようですよ。警視庁などの交通安全担当の人に聞くと、交通安全教育をやった帰りにお母さんたちが自転車で信号無視して帰る。で、子どもたちが後ろで「ママー、信号黄色だよ」とか「赤だよ」って言うのだけれど、お母さんたちは「大丈夫だよ」って行っちゃう。

全然、交通安全教育をやった効果がない。それが、一番イヤな瞬間だと。

交通安全で必要なのは「それぞれの立場でみんなのことを考える」こと

ーー自転車に乗る時は、何に一番気をつければいいのでしょうか?

私がよく言うのは、「道路を利用する人みんなの事を考えてほしい」ということです。

自分が自転車である場合もありますが、歩行者である場合や、車である場合もありますよね。ルールを守りながら、安全に道路を利用するためにはどうしたらよいかということを、それぞれの立場で他の道路利用者のことを考え・思いやること。

道路を利用する上での「マナー」ともいえますね。

みんながしっかり交通安全意識を持ちながら道路を利用することが大切ですよね。安全に自転車に乗るために、みんなが安全に道路を利用するためには、どうしたらいいのか自分たちも考えよう、と。

ーー確かに自分が違う立場になってわかることってあります。大学生になって車の免許を取って初めて気づいたのは、夜に無灯火で走っている自転車が全く見えないこと。そう思ったら自分は絶対にランプをつけようと思いました。

そうですね。そして大事なのはやはりルールを守ることですよね。ルールを勉強してほしいですね。

ルールを守ることで、1人1人が他の人に対する思いやりも出てくるし、みんなが安全に道路を利用できるんです。

単独事故もあるが、多くは相手のある事故です。例えば、自転車で見通しの悪い交差点で安全確認せずに飛び出したとき、たまたま車が来ていると事故になるよね。でも、もし車が来ていなければ。相手がいなければ事故は起きないんです。

実際の道路交通の場では、車や自転車、歩行者がいます。お互いが交差点を通る100回のうちの1回ぶつかるのか、10000回のうちの1回ぶつかるのか。それはわかりません。でも、そういう偶発性のものが交通事故なのです。

だからこそ、万が一にも交通事故にならないよう、ルールを学び、常にルールを守りマナーを実践することが大切なんです。

ーー本当そうですねぇ。

ぜひ家庭で話題にして、皆さんで交通ルールを学んでいただきたい。

ーー大人が正しいルールを知らなきゃ、子どもに伝えられないですね

そういうことです。警察庁の発表では、自転車が被害者となる交通死亡事故のうち、8割に自転車側にも道路交通法違反があったとのことです。

まだまだルールを正しく理解していない、もしくは守っていない状況にあることがわかりますよね。

自転車と車がぶつかり、自転車に乗っていた人が怪我をした場合でも、信号を無視していたとか、道路の右側を走っていたとか、ルール違反があった場合、自転車側にも「過失あり」と言われます。

ぜひ、保護者の方も一緒になって、交通ルールをもう一度学んでいただきたいですね。

ーー被害者だから自分は全く悪くない、というわけではないんですね。

先ほど話したようにルール違反があると「過失あり」ということになって、損害賠償の時などには「過失相殺」の対象になるんです。皆さんも、過失割合は「4対6」だったとか、「3対7」だったというようなことを聞いたことがあるかもしれませんね。この比率を「過失割合」といい、その割合に応じて、支払われる損害賠償額が決まるんです。

例えば「6対4」の過失割合なら、車側が6割、自転車側が4割の過失ということであり、全体の損害を10とした場合そのうちの4割は自転車側の過失だから、その分は支払われないということに。つまり残りの6割分だけ払われるのです。

自分がケガをして被害者だと思っても、過失割合に応じて責任を分担することになり、結果として損害賠償にも影響してくるんですよ。

そういう時のために、傷害保険の特約のある自転車保険はやっぱり有意義になってくると思っています。

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