アニメを仕事にする方法【おすすめの職業を7つ紹介】
近年、アニメ市場が最高の盛り上がりを見せています。
日本動画協会が公開している『アニメ産業レポート2022』によると、2021年の世界の日本アニメ市場は2兆7,422億円に達しているということです。
2011年の世界の日本アニメ市場が1兆3,375億円とのことなので、10年間で約2倍の成長を遂げています。そして今後も、日本アニメ市場が広がっていくことは間違い無いでしょう。
また、KADOKAWAが公開している『アニメマーケティング白書2020』によると、国内アニメ視聴者数は約3,515万人で、日本人の3人に1人が国内アニメを定期的に視聴していることがわかっています。
「アニメを仕事にしたい!」という人も、少なからずいることでしょう。
そこで本記事では、アニメを仕事にする方法を解説していきます。王道の職業からちょっと意外な職業まで、様々な視点で紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
アニメを仕事にする①:アニメーター
まずは王道の職業から。アニメが好きな人なら1度は憧れるのがアニメーターです。
一般的にアニメーターとは「アニメーションの動きを作るための画を描く人」のことを指します。
もう少し深掘りしていくと、アニメーターは以下の階層に分かれていることがほとんどです。
- 作画監督
- 原画
- 動画
アニメーションの動きにおいてポイントになる画を描くのが原画で、原画と原画の間の画を描くことで動いているように見せるのが動画。そしてそれらの作画作業全体を管理・修正するのが作画監督です。
まずは、動画マンからキャリアをスタートさせることがほとんどとなっています。美術大学や専門学校でアニメ制作を学んだのち、アニメ制作会社に就職するのが一般的です。
また、近年は制作ツールが安価になっていることで、個人でアニメを制作する事例も増えてきました。現在、日本を代表するアニメ監督・新海誠さんは、2002年にMac1台でアニメを個人制作したのが始まりです。
もちろんアニメーターは、夢がある一方で、作業量が多く、身体的にも精神的にも厳しい職種です。それなりの覚悟を持って、キャリアを考える必要があるでしょう。
アニメを仕事にする②:声優
近年、非常に強い人気を見せているのが声優です。現代の声優は声の演技にとどまらず、音楽活動、SNS運営、イベントへの参加など、幅広い能力が求められる職種となっています。まさにスーパースター。
声優と言われると、アニメのアフレコが主な仕事のように思えますが、近年はソーシャルゲームのアフレコや洋画のボイスオーバーまで、想像以上に仕事が幅広いです。そのため、もし声優を志望するのであれば、まずは声優がどのような仕事に取り組んでいるかを深く理解するといいでしょう。
声優になるためのキャリアとして一般的なのは、アニメーター同様に専門学校や養成所に入ることです。
専門学校に入らずに独学でトップ声優まで登り詰めた方もいます。『鬼滅の刃』の竈門炭治郎役・花江夏樹さんが代表例です。
声優業界は、どれだけ有名な声優になっても、毎度のようにオーディションを受けることでようやく役を掴み取れる厳しい業界です。さらに、業界の興隆に伴い、声優志望者は近年増加の傾向にあります。アニメーター同様に覚悟を持ってキャリアをスタートさせる必要があるでしょう。
アニメを仕事にする③:脚本家
アニメ制作において重要な役割となるのが脚本家です。「アニメ制作に携わりたいけど絵心がない……」という人は、脚本家を目指すのがいいでしょう。
脚本家になるためには、まず専門学校や大学で知識・技術を身につけるのが一般的です。
その一方で、脚本家は独学でスキルを身につけやすい職種でもあります。自分で書いたシナリオを制作会社に持ち込むことでキャリアをスタートさせることもできるでしょう。
また、小説家から脚本家に転身する方法も考えられます。アニメ業界であれば、まずはライトノベル作家から始めてみてはいかがでしょうか。
現在、小説投稿サイト『小説家になろう』のブームが継続中なので、十分にチャンスがありますし、今からでも始められます。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
アニメを仕事にする④:音楽家
アニメ制作では画やストーリーだけでなく、音楽も重要です。OP・EDの楽曲や劇伴(BGM)まで、1つの作品で数多くの楽曲が必要なのがアニメの特徴です。ということで、音楽方面からアニメ制作に携わるのもいいでしょう。
音楽家になるための一般的なルートは、やはり専門学校や大学などで技術・知識を習得することです。しかし近年は楽曲制作ツールが汎用化しているため、独学でキャリアをスタートさせている音楽クリエイターが増えています。
ちなみに、ピアノやギターを弾けるようになる必要はありません。DTMでほとんどのジャンルの楽曲が制作可能です。
特にボーカロイドを用いた楽曲制作は、アニメ制作との相性が良いと思われます。
音楽制作が気になるのであれば、まずはLaunchPadをインストールしてみてはいかがでしょうか。
アニメを仕事にする⑤:制作進行&プロデューサー
1つのアニメ作品を制作するには、数多くのクリエイターが必要です。また、資金調達やプロモーションも進めなければなりません。このような業務に取り組むのは、制作進行やプロデューサーと呼ばれる立ち位置の人です。
まず制作進行は、アニメ制作におけるプロジェクトおよびスケジュール管理を担当します。スケジュール通りに制作できるように、クリエイターの方々の仕事を管理するのが役割です。これに関してはアニメ制作を題材にしたアニメ『SHIROBAKO』を視聴するのも理解に役立ちます。
そしてプロデューサーは、主にお金周りのことで動く職種です。資金調達や企画立案、起用するクリエイターのオファーに至るまで、幅広い業務をこなします。また、確実に売れる作品を作るために、制作現場に参加することも珍しくありません。
一般的には、アニメ制作会社に入社してから、制作進行→制作デスク→プロデューサー or 演出 or 監督というようにキャリアが進んでいきます。
そして制作進行は、画を描く必要ないため、イラストの技術を持たずとも目指せる職種です。そのうえ、そこからキャリアを順調に成長させていけば、アニメ監督になることもできます。これも中々、夢がありますね。
アニメを仕事にする⑥:イベント運営
少し変化球ですが、イベント運営も面白い職種です。アニメ作品は放送終了後のタイミングでイベントが実施されることが多く、そこでイベント企画会社が大活躍します。また、近年の声優は音楽活動に熱心なので、武道館などの大きな会場でライブが開催されることも珍しくありません。
そしてイベントは、クリエイターとファンが繋がれる数少ない機会でもあります。イベントを企画・運営するのは、非常にやりがいのある仕事なのではないでしょうか。
またイベントは、やろうと思えば個人で開催することも可能です。お金・場所・スケジュールの問題をクリアできれば、自分の好きな声優を呼んで、その声優のファンをたくさん集めて、盛大なイベントを開催することもできるのです。これぞ、"推し活"の究極系。
イベント運営には特殊なスキルは必要ありません。新卒入社やアルバイトからもキャリアをスタートさせることができます。
アニメを仕事にする⑦:YouTubeやブログなどで情報発信
日本ではややマイナーですが、世界的に見ると、アニメ系YouTuberにはかなりのポテンシャルがある思います。日本に住んでいる僕たち日本人は、アニメ関連の情報に簡単にアクセスできます。しかし海外の人は、必ずしもそうではありません。
日本でしか手に入らない情報を海外に向けて発信するアニメ系YouTuberは、海外での日本アニメ人気の高まりに伴って需要が高まると予想されます。個人的には、アニメの聖地巡礼がかなりアツそうだと思っています。
また、YouTubeだけでなく、ブログや音声メディアで発信するのもいいでしょう。自分のペースで始められるので、ちょっとした副業として始められるのもメリットです。
さいごに
「アニメを仕事にする!」と言うと、やはりどうしてもアニメーターや声優を想起しがちです。しかしそれ以外にも、アニメ関連の仕事は数多く存在しています。アプローチを変えるだけでアニメを仕事にできるのです。
そういえば僕も、大学生時代にアニメ系ライターとして活動していたことがあり、実際にアニメ制作会社に赴いて取材したこともありました。これも立派な「アニメを仕事にする!」です。僕自身が「アニメがとても好きだから」こそ、実現できたことなのだと思います。
もし「アニメを仕事にする!」のイメージが湧かないのであれば、とにかくアニメを見ましょう。そしていろいろなイベントに参加したり、アニメショップでお買い物したり、ライブに参加したりして、様々な視点でアニメを楽しんでみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、アニメを仕事にするための、新しいアプローチが見つかるかもしれません。
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