
【27歳で海外移住した私】ベトナムでの海外就職と人生の選び方について
こんにちは!ベトナムの寺内です。
今回はベトナムに住んでいる私についてお話ししたいと思います。私は大学卒業後は普通に?就職をし、しばらく東京で働いていました。しかしあることをきっかけに「暑い国に住みたい…」となり、27歳の時にベトナムへ海外転職をし、現在はベトナムで飲食店の経営補佐とライターをしています。
海外移住に興味のあるみなさんに少しでもお役に立てれば嬉しいです。

目次
10代で興味を持ちはじめた海外の文化

中学生の時から英語の勉強が好きな方でした。他の教科は全然ダメでも英語だけは成績がよく、そのまま高校も英語コースのあるところへ進学しました。
高校は女子校だったのですが、英語コースは1クラスだけ。3年間、クラス替えもない環境です。クラスメイトも個性豊かで英語コースというだけあり、洋楽や洋画の好きな友人もたくさんいました。
私も洋楽に興味を持ち、歌詞や和訳を覚えるだけでなく、アメリカのアーティストにファンレターを出したりしていました。(返事ももらえました!)
母も洋楽が好きで、若い頃にスティーヴィー・ワンダーのライブに行った時に隣の席の人がスティーヴィーに英語で何かを叫んで反応してもらっているのを見て、「自分も英語が話せたらよかったと思った」と言っていたので、私は憧れのアーティストに会えたら話せるようにしておこう、と思いました。
高校には短期留学の制度などもありましたが、親に「2週間くらい行っても意味がない」と言われ、それもそうかもなぁ〜と素直に従いました。(笑)
井の中の蛙で浪人
その後大学進学では自分の成績を過信し過ぎて受験に失敗し、1年浪人をしました。その後中央大学へ進学し、フランス語文学・文化を専攻しました。
何故フランス語かと言うと、高校である程度英語を勉強したので、親に「次は違う語学の方がいい」「フランス語は話せる人が少ないのでいいのでは」と言われ、そうかも、と思い選びました。素直ですね。(笑)
私の大学は他学部・他学科の履修もできたので英語関係はもちろん、様々な講義も受けられ楽しかったです。大学の学部や専攻に悩んでいる方は他学部履修もできる大学がお勧めです。
大学では主に海外旅行(をするためにアルバイト)とアニメに注力し、10カ国ほど旅行したり、フランス人の教授とエヴァンゲリオンについて熱く語っているうちに卒業を迎えました。卒論もフランスでの日本の漫画・アニメ文化の普及について書きました。

とにかく就職氷河期
私は2010年新卒でしたが、就活の時は世界的金融危機やリーマンショック等の影響で、“就職氷河期”と言われる時代でした。
結構な数の面接をこなしましたが、続々とくるお祈りメールに「祈られ過ぎて神になりそう」なんて大学の友人と話していたのを覚えています。
特にやりたいこともなかったので様々な系統の職種を受け、何とか金融系の会社から内定をもらい1年半働き、その後は医療系の会社に勤務していました。
海外・ベトナムに就職&移住!

大学卒業時からお付き合いしている方との未来を見据えた生活をしていた私。ですが破局を迎えました。それからは仕事もプライベートもとにかくやる気が出ませんでしたが、慣れたルーティーンはこなせてはいました。ただ何となく、「このままだとフラッと死んだりするかも」と思うように。
もっと必死に目の前のことをこなす環境に身を置かないと、だらだら過去に囚われたまま20代が終わりそう…そう思った時に“元々興味があった海外に住むなら今かもしれない、寒いと気持ちが落ち込むから暑い国に住みたい”と漠然と思いました。
私の海外就職、条件は“暑い国”
自分の中での条件は“暑い国”。そしてあまりにも日本から距離があると、何かあった時にすぐ帰れない不安があったので東南アジアに絞ることにしました。
現地に行って就職先を探すのでもよかったのですが、私は海外生活をしたことがなかったので、日本国内にいながら海外就職先を探すことにしました。
就職先の条件は、
- ビザを会社が取得サポートしている
- 企業負担で医療保険に加入させてくれる
- 月収が現地の平均月収の4倍以上はある
- 家賃負担が出る
の4つでした。
これを念頭にGoogleで「海外就職 東南アジア」で検索をかけ、当時この条件を満たしているのはIT関連会社、現地日系旅行会社、航空会社の空港スタッフ(契約社員)でした。
特に「絶対この仕事がしたい」という希望はなかったのでとりあえず条件が合う企業に履歴書を送り、何社かSkypeや日本国内にある企業オフィスで面接を行いました。面接を行っていくうちに希望がマッチしたのは、カンボジアのIT企業とベトナムの日系旅行会社で、どちらからも内定をもらいました。
そして親に相談したところ、「名前を知っている企業の方が安心」とのことだったので、ベトナムの日系旅行会社に就職することにしました。

移住して大変だったこと
実はそれまでベトナムに行ったことがなく、いきなり移住したのですが、案外大丈夫でした。
日本と文化が異なることは沢山あり、はじめこそ驚いたりしていましたが2、3ヶ月後にはもういちいち驚かなくなりました。むしろ“ベトナムに住まわせてもらっている外国人”なのに本当に良くしてもらっていると感じています。
日本にいた頃は「ベトナムに就職する」と言うと、「ベトナム人と働くのは大変」とよく言われたのですが、実際に来てみるとそれほど大変ではなかったです。むしろ現地にいる日本人の方との関わり方の方が難しく感じました。日本人からすると同じ日本人がどうしても目についてしまうのでお小言をもらうことも。(笑)
日本にいる時よりも自分がしっかりしていないといけないと思いました。そして日本で自分がどれだけ友人や周りの人に恵まれていたのかを再認識できました。
泥棒に入られたことも…
またホーチミンに移住して半年くらい経った時に、家に泥棒に入られたのはショックでした。旅行会社の仕事は不規則で、夜遅く帰ったり、深夜もオフィスに行かなければならないこともあり、正直いつ泥棒に入られたのかわからず。(笑)
気づいたら「何か最近ピアスもネックレスも数が減った?失くした?」くらいに思っていたら完全になく、現金も盗られていました。その時は友人が大家さんに交渉してくれ、見舞金を出してもらえたので不幸中の幸いでした。それからは家に警備員さんがいる家か、大家さんが同じ敷地内に住んでいる家に住むようになりました。
そしてとにかく旅行業は忙しかったです。結果的に自分が求めていた失恋なんかを忘れるくらいの忙しさだったのですが、体調を崩すことが多くなり、30歳前には転職か日本に帰国してもいいかな、と考えていました。
そんな時に今のパートナーと出会い、飲食店の経営補佐を始めると同時にひょんなことからライターのお仕事ももらえるようになりました。

意外と楽だったこと
言葉に関しては基本的に英語で仕事をしていたのですが、日本人の私にとってもベトナム人のスタッフにとってもお互いに第二言語なので、簡単に伝わるよう努力しました。人種関係なく、気が合う人はみなまで言わなくても分かり合えるんだなぁとベトナムに来てから感じるようになりました。
ホーチミン、ベトナム国内でも都会だったので、生活は特に困りませんでした。
ダナンに異動してからは日本人2人のみのオフィスでしたが、周りのベトナム人も優しく、みんなに助けてもらいながら仕事をしていました。ベトナム語も、ダナンに来てから覚えるようになりました。
またダナンは移動手段が基本的にバイクなので、だいぶベトナム化が進んだと思います。(笑)
バイクもベトナム語も、今までの人生では初めてのことで不安でしたが、やってみればどうにかなるものです。人間、必要を迫られれば何歳からでも大概のことはできるのだと思いました。
同じベトナムでも都市や地域によって言葉も文化も少しずつ違い、私の場合はダナンと自分の生活スタイルが合っていたので現在に至ります。
新型コロナウイルスが蔓延した時も何度かロックダウンなど、日本では経験しないようなことが起きましたが、周りのベトナム人の方々にとても支えられ、辛い状況も乗り越えることができました。

海外移住のために10代からやっておくべきこと

金銭的の余裕があれば、留学やワーキングホリデーに行かれるのが一番いいと思いますが、なければとにかく、英語の勉強と外国人と触れ合う機会を増やすのをお勧めします。
英語の勉強と言っても、「TOEICで高得点を取る」などよりも話すことに慣れることが大事だと思います。言葉は道具なので使わないとすぐに忘れていきます。
外国人との関わりについては、自分の住んでいる地域や通っている学校で募集されている日本語ボランティアや観光ガイドなどに応募してみたり、外国人が多く訪れる場でアルバイトするなどでもいいと思います。
またプラスアルファで何か資格などを取っておくと、さらに自分にできる仕事の幅が増えたり、海外ではそれがビザの取得に役立つこともあります。
やりたいことがなくてもいい
私は「やりたいこと」が明確なタイプではなく、何となく大学進学から就職、海外まで来ましたが、結果的に今までやってきたことが現在、役立つことに繋がっています。
金融業で取得したFP2級の資格は、今後の自分のお金について考えられたり、医療系の企業では総務をやっていたのでPCに強くなり、今はメニューを作ったり、時々議事録作成のお仕事を頂けたり、旅行業の経験で今の飲食店の社員旅行の手配もでき、観光系の記事を書く時にはホテルなどでチェックするポイントがわかります。
別に今、目標がきちんとなくても焦る必要はないと思います。
今まで生きてきて無駄な経験なんてない、とまでは思いませんが、ある程度した努力は成功しようがしまいが、成長には繋がります。思いつきで行動してもダメだったらすぐやめたらいいし、考えるのに疲れたら、流れに身を任せても案外どうにかなります。
“自分を愛することとは”

36年間自分をやってきていますが、正直愛せているかどうかはわかりません。
周りの人は知らない間に大人になっていて、私だけまだ女子高生なのか?という位、幼い頃からあまり変わっていなく、外見の成長に中身が伴っていないように感じることも多々あります。
ただ、私が海外で好きなように生活できているのは、今物理的に周りにいる人はもちろん、いつ日本に帰っても迎え入れてくれる家族や友人がたくさんいるからだと思います。周りの人からもらっている愛が、私の自己肯定に繋がっているのだと思います。
でも、自分のことをどうにかできるのは自分しかいません。
一時は恋愛に没頭するあまり、その彼との将来しか見えていなかった私は自分の存在がグラグラしてしまいましたが、それは彼に依存し、期待し過ぎていたのだと思います。
日本にいようが海外にいようが結局私は私でしかなく、自分の機嫌は自分で取って、やりたいと思うことはやるのが一番だなと感じています。
最後に

宣伝になってしまいますが、ダナン・ホイアンの旅行本も執筆しています。観光スポットだけでなく、ベトナムの文化などにも触れていますので良かったら読んでみてください。
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