タクシーとぶつかったあの日 自転車事故の恐怖体験
学生の皆さんの中には、自転車通学をしている方も多いのではないのでしょうか。学校などで行われる交通安全教室、先生から「事故には気をつけて」と言われていても“自分は大丈夫だ”と、どこか他人事のように思っていませんか?運転免許がない自転車だから大事にはならないと思っていても、大きな事故に繋がり、加害者になってしまうことがあります。
そこで自転車の事故について改めて考えてみませんか? 私が実際に経験した自転車事故の経験談をご紹介していきます。実際にみなさんの中にも経験したことがあるかもしれません。
目次
過去の自転車事故体験
私は小学1年生の頃、補助輪なしでは自転車に乗ることができませんでした。友達は次々に補助輪を外して乗っていたので、ちょっとした劣等感がありました。小学2年生の終わり頃には乗れるようになり、毎日のように田舎の野山を走っていました。
いつも通る道は田んぼと牧場に囲まれており、坂道が多く、舗装された道路も少なかったです。元気よく自転車で走り回っていたので、今考えると「あと1歩で交通事故だったかも…」という「ヒヤリ」や「ハッ」とした経験がたくさんありました。そんな中過去に、車との軽い接触事故をした経験があります。大事故にはならずに済みましたが、一歩間違えていたら大怪我をしていたかもしれません。 今回は「まさかの接触事故」の事例を紹介します。
左折したタクシーと接触
小学校低学年のある日、通学していた小学校前のT字路交差点でその事故は起きました。
私は、T字路交差点を青信号に従って直進しようとしていました。ちょうど交差点にさしかかったとき、後方から走行してきたタクシーが、私の自転車の横から強引に割り込んで左折してきたのです。私は「危ない!!」と急ブレーキをかけたのですが、そのタクシーと接触してしまったのです。
ぶつかった、というような大きな衝撃はなく「当たっちゃったかな?」「こすったかな?」くらいのものでした。身体の痛みは特に感じませんでしたし、タクシーにちょっと触れた右手の擦り傷程度のケガで済みました。
タクシーは接触したことに気がつかなかったのか、そのまま通り過ぎて行ってしまいました。まだ「当て逃げやひき逃げ」なんて言葉も知らなかったので、怒るというよりは、「あぁ~やっちゃった」という思いでした。
ところが…
曲がった自転車
大したこともなかったので、気を取り直して自転車で道路を進もうとしました。しかし、まっすぐにハンドルを持っていたのに自転車は曲がって進んだのです。
よく見てみると、先程の事故でハンドルが45度曲がっていたのです。
自転車の速度は15km程度でしたし、「かすり」程度の事故でも子供の自転車のハンドルを曲げてしまったのです。
「怖かった」というよりは「お母さんに怒られたらどうしよう」という気持ちでいっぱいでした。当時友達の間では、自転車の「変速ギアが多い」ことを自慢しあい、「ブレーキはかけず」スピードを出すのが流行りでした。この事故の時は、交差点だったのでそういう運転はしていないのですが、お母さんに「またスピードを出して!」と怒られるのではないかと思ったのです。
なんとか乗って帰らないと。ガードレールに前輪のタイヤを固定して力一杯押しつけるようにしてハンドルをもとに戻して、乗って帰ることができました。
幸い自分の身体は擦り傷で済んだものの、あのとき「あと数cm当たる位置がずれていたら」大変な事故になっていたのではないかと考えると、今でもぞっとします。
青信号の交差点を直進するときでも、対向してくる右折車や後続の車、場合によっては信号無視をする車や歩行者など、危険がいっぱいです。
自転車も速度を調整したり、左右の安全をしっかり確認したり、そういった対策を行うことが必要ですね。
子どもが加害者になった場合
たとえ子供でも、万が一加害者になってしまうと、相手方に損害賠償をしなければなりません。損害賠償によって生活が一変してしまった例もあるので、そうならないためにも自転車保険に加入することは非常に大切です。
実は数年後にこれを上回る経験をします(またご紹介します)。
当時の小学校では中学年以上になると学校で自転車のルールやマナーを学びますが、それは後の話。そのときようやく自分がしていたことが「間違っていた」と気づくことになるのです。
記事監修
NEONAVI顧問
長嶋 良
佐賀県警本部長や全日本交通安全協会事務局長など歴任
一般社団法人全国道路標識・標示業協会 理事
一般社団法人日本高視認性安全服研究所(JAVISA)アンバサダー
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