中学でいじめを受けたあとの性格の変化とトラウマ(後編)
こんにちは、ハルです。
私が以前投稿した「いじめを受けたあとの性格の変化とトラウマ(前編)」という記事では、私が中学時代に経験したいじめのせいで性格が暗くなったことや、トラウマになったことについてお話ししました。
前編の内容をあまり覚えていない方や、まだ見たことがない方は、下記のリンクからご覧ください。
さて今回は、「いじめを受けたあとの性格の変化とトラウマ」の後編に入ります。私の暗い性格とトラウマが改善されたきっかけや方法について、詳しくお話しします。
それでは、ぜひ最後までご覧ください。
※ここからの内容は、全て本当にあった出来事です。
目次
私に“転機”が訪れるまで
前編の記事の最後に、「20歳になってすぐの頃に、ある転機が訪れます。」とありましたよね?
まずは、その転機が訪れるまでの流れをお話しします。
私は大学3年生の3月〜8月末まで、美大の陶芸の課題制作に毎日追われていました。しかも、その課題がものすごくハードだったので、課題が終わった8月末は精神的に疲れ果てて、ボロボロの状態でした。
課題制作で心が疲れ切っている状態の中、さらに心を傷つけられた出来事が起こりました。その出来事とは、高校生のときに仲良くなった友達が、Twitterで「私、高校のとき誰と仲良かったっけ?」とつぶやいていたことです。
私はその友達と仲が良いと思っていたし、何度も一緒に遊びに行っていたので、そのツイートの内容が信じられませんでした。「私は仲の良い友達じゃなかったんだ...」と、深く傷つきました。
しかも、精神的に弱っている状態でそのツイートを見てしまったので、ショックの度合いがものすごく大きかったです。その後しばらくの間、「私は価値のない人間なんだ」と自分を卑下するような思考に陥ってしまいました。
上記のショックな出来事から少し経った9月上旬ごろ。私は、小学3年生から付き合いのある『うた』という友達から、遊びに誘われました。私は、「うたに例の友達のツイートについて話してみようかな...」と思い、遊びの誘いに乗りました。
そして遊んだ日の夜、居酒屋でうたと食事をしているときに、例の友達について相談しました。
◯仲が良いと思われていなくて辛かった。
◯友達のTwitterのツイートを見た後、涙がしばらく止まらなかった。
◯私は価値がない人間なのかもしれない。
など、泣きそうになりながら話していたと思います。うたは私の話を真剣に聞いて、優しく励ましてくれました。
その後、うたは私にある話を持ち出しました。
うた「私の知り合いに、トラウマや辛い悩みを解決するためのアドバイスをしてくれる男の人(以下「テンさん」と表記)がいるの。テンなら、ハルの話を聞いて、良い方向に導いてくれるかもしれない。」
「テンに会ってみる?」
うたからの急な提案に、少し戸惑いました。
しかし...
「会ってみたい。」
悩みを解決したかった私は、うたの提案に乗ることに。うたはすぐにテンさんに電話し、私が会いたがっていることを伝えました。
テンさんは「今からそっちに車で向かう」と言い、迎えに来てくれることに。
このテンさんとの出会いが、私にとっての“転機”でした。
テンさんと初の対面&相談
電話から約1時間後、私はテンさんに会うことができました。テンさんを初めて見たとき、他の人とは少し違う独特な雰囲気を感じたのを覚えています。
お互いに自己紹介をしたときに、テンさんは普段はものづくりのお仕事をしている人だとわかりました。人の悩みを聞いたり助けたりする活動は、どうやらテンさん自身が好きでやっているとのこと。
自己紹介後、私とうた、テンさんの3人で別の居酒屋へ行って、私の悩みを相談することに。
着いた居酒屋で、私はうたに話した内容をテンさんにも伝え、「どうして友達が離れてしまうのか」「どうすればこの苦しみから抜け出せるのか」などを相談しました。
私の話を聞いたテンさんは...
テン「それは、ハルが本当の自分を出していないからだよ。自分に自信がないから、友達と深く関わることができないし、離れていきやすいんだと思う。付き合いが長いうたに対しても、本当の自分を出すのを怖がっているように感じる。」
「今の苦しい状態から抜け出すには、まずハルに根付いているトラウマを外す必要がある。そうすれば、ハルの性格や意識が良い方向に変わるかもしれない。」
「もしハルが本気で自分を変えたいと思うなら、協力するよ」
と、言いました。
正直、怖かったです。「これはなにかの宗教か?」と疑いましたし、初めて会ってからまだ1時間も経っていない人に「協力するよ」なんて言われるとは思ってもいませんでした。私は、テンさんのことを本当に信用していいのか、ものすごく悩みました。
すると、私の隣に座っていたうたが...
うた「ハルが自分を変えられるチャンスだと思うよ。でも強制じゃないから、イヤなら断っても大丈夫。」
それを聞いて、私は決断しました。
「変えたいです。お願いします。」
ここで私は、自分を変えるためのチャンスを掴みました。
この日はもう夜遅かったので、私はテンさんとLINEを交換し、また別の日に会って話すことを約束してから別れました。
私の性格とトラウマが改善したきっかけ
さて、私はどのような方法で、性格とトラウマを改善することができたのでしょうか?
それは、テンさんによる『トラウマ外し』がきっかけでした。
そのトラウマ外しが始まる前までの流れを、ざっとお話しします。
私がテンさんと初めて会ってから少し経ったころ、私は別の悩み事で苦しんでいました。その悩みとは、美大のとあるプロジェクトに参加したことです。
本当はそのプロジェクトに参加したくなかったのですが、周りの同調圧力に負けて、「私も参加します」と言ってしまいました。
言ったことを後悔した私は、テンさんにLINEで状況を簡単に説明し、その後に直接会って相談しました。断る勇気が出なかったことや、断ると相手に申し訳なく感じてしまうことについて話していると...
テン「それは、ハルの過去のトラウマが原因で、自分の意見を言えなくなっているんだよ。いじめとかで嫌なことを経験して、『本当の自分を出しちゃダメだ』『自分の意見は言っちゃダメだ』っていう思いがものすごく強い。」
その通りすぎて、私は何も言えませんでした。
そしてここから、テンさんのトラウマ外しがスタートします。
テン「じゃあ、今からハルに根付いてるトラウマを外していくよ。ハルが今まで生きてきて、辛かったことや嫌だったことを、思い出せる範囲でいいから全部言ってみて。どんな些細なことでも。」
私は、頑張って記憶を呼び起こしました。そして、少しずつ思い出した辛かったこと・嫌だったことを、テンさんに伝えました。
私「小学生のとき、クラスのみんながいる前で先生に怒られたことがあった。」
テン「そうなんだ。それは大変だったね。」
私「中学生のときにいじめられて、仲間外れにされたり悪口を言われたりした。」
テン「すごく辛かったよね。でも、よく耐えられたね。」
このように、私は友達関係、学校、部活、バイトなど、さまざまな環境で経験した辛かったこと・嫌だったことを、一つずつ話しました。親にも言えなかったことを、誰かに打ち明けたのは初めてでした。
私が一つ話す度に、テンさんは「辛かったね」「大変だったね」「よく頑張ったね」などの言葉をかけてくれました。
正直、最初は「こんなこと話して、何か意味あるのかな?」と思っていました。しかし、しばらく続けていると...
なぜか急に、私の目から涙がボロボロと出てきました。
私が泣いて言葉に詰まっていると...
テン「泣いて話しづらいかもしれないけど、どんどん話してほしい。ゆっくりでいいから。」
私は言葉を詰まらせながら、一つずつ辛かったこと・嫌だったことを話しました。話している間、涙は全く止まらなかったです。
思い出せる範囲の出来事を話し終えてから、気持ちを落ち着かせていると...
テン「こうやって、今までの辛かった出来事を口に出すことで、当時(辛いことを経験したとき)の感情に戻る。それを何度も繰り返すと、当時の辛い感情がどんどん高ぶって、抑えきれなくて涙が出てくる。」
「今まで辛かったことについて誰にも言えなかったから、ハルの傷ついた心に寄り添ってくれる人もいなかった。だけど今、ハルが出来事を口に出したあと、僕が『辛かったね』『よく頑張ったね』って言葉をかけたでしょ?こうして優しく寄り添う言葉をかけたことで、初めて安心感につながったんだよ。」
トラウマ外しの仕組みについてもう少し詳しく解説すると、
①自分の心にギュッと抑え込んでる(蓋をしている)辛かった出来事を口に出す。
②口に出すと、今まで心に蓋をしていた部分が開いて、空洞になる。
③心のポッカリ開いた空洞部分に、優しい言葉や寄り添うような言葉をかける。
④空洞部分が優しい言葉で埋まり、安心感につながる。
こんな感じです。イメージできたでしょうか?
カウンセリングを受ける大切さ
ようやく涙が収まってくると...
テン「たぶん今、心がすごくスッキリしていると思う。当時の辛かったことやトラウマだったことも、もうなんとも思わなくなっているんじゃない?」
確かに、テンさんの言う通りでした。今までずっと苦しんでいたのが嘘のように、心が軽くなっていました。
私「何か特殊能力とか使いました?」
テン「そんなのないよ。今のトラウマ外しは、カウンセリングの人でもできることだよ。」
「さらに言うと、ハルがもっと早い段階でカウンセリングの人にこうやって話をしていれば、とっくの昔にトラウマを外せていたはずだよ。」
それを聞いて衝撃を受けました。カウンセリングでそんなことができるなんて、全く知らなかったです。
私「じゃあ、中学でいじめられた後にすぐカウンセリングへ行っていれば、もっと充実した学生生活を過ごせていたってことですか?」
テン「そうだろうね。だけど、トラウマを抱えている人のほとんどは、カウンセリングを受けようと思っていない。」
「みんな、『他人に話しても何も解決しない』『辛かった出来事を話すなんて恥ずかしい』『当時のことは思い出したくない』と思って、誰にも打ち明けていないんだよ。」
「でも今、ハルは俺に辛かった出来事を打ち明けて、心がすごく軽くなったでしょ?人に話せばこんなふうにスッキリしたり、変わることができるんだから、他のみんなもちゃんと話したほうが良いと思うけどね。」
「とりあえず、ハルは人に対する恐怖心とかがだいぶ少なくなったはずだよ。それに、充実した人生はこれからでも十分に歩めるよ。」
こうして、私のトラウマ外しは終わりました。
...ちなみに、トラウマ外しをした次の日に、最初に話していた美大のプロジェクト関係者の方に「参加できません」と伝えることができました。他人に自分の意見を言うことが全くできなかった私にとって、大きな一歩です。
その後も、テンさんのおかげで少しずつ自分の意見を言ったり、素の自分を出したりすることができるようになりました。そして今では、明るく前向きな性格になり、楽しい生活を送っています。
テンさんには、本当に感謝してもしきれません。
最後に
いかがでしたか?
ここまで読んで、「本当にこんなことがあったの?」と思った方がいるかもしれません。正直、私もあまり現実味を感じられませんでした。
ですが、このトラウマ外しのおかげで、私は性格が明るく前向きになり、生きるのが楽しいと感じられるようになりました。
もし、あのときテンさんに会うことを拒否していたら、私はずっと暗い性格で、息苦しさを感じながら生きていたかもしれません。この経験のおかげで、辛かったことを人に打ち明ける重要さが、痛いほどわかりました。
今この記事を読んでいる学生さんの中で、いじめなどの辛い出来事でトラウマを抱えている方や、生きることに息苦しさを感じている方は、勇気を出して人に打ち明けてみてはいかがでしょうか?
この記事で話したテンさんや、カウンセラーのように、相手の心をしっかり理解して寄り添ってくれる人に話すことで、あなたのこれからの人生が変わるかもしれません。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。
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