国立、公立、私立…進学先に困ったら。

高校生のみなさんが大学進学を考え始める際、大学にはいくつかの“種類”があることに気付くでしょう。今の日本の大学は大きく分けて、国立大学、公立大学、私立大学の3つがあります。

「この3つの違いって、いったい何なのだろう?」と思いますよね。同じくらいのレベルだったら私立、国立、公立どこに進学すれば良いのでしょうか。各大学の特徴をきちんと把握して、自分の将来像に合った大学を正しく選びたいですよね。

そこで今回は、国立、公立、私立の各大学の違い・特徴を確認してみましょう。

国立大学

国立大学(国立、国大)とは、国立大学法人が設置している大学のこと。

国がお金を出して運営しているのが国大。国がお金を出す=国民の税金。そう、税金によって成り立っている大学なのです。

学校数は日本全国に86校で、うち大学院大学が4校(2020年4月1日時点)。その数は多いとはいえません。しかも大都市には多くなくそれぞれの都道府県に点在しています。例えば神奈川には横浜国立大学しかありません。

国大は一般的に難易度が高め。大都市近くの国大ほど難易度が高くなる傾向で、なかでも医学部の難易度の高さは有名です。

税金を投入しているため学費が比較的安いのも国立大学の特徴で、それも人気の理由の一つ。とくに学費が高額な医学部でも、私立大学の医学部に比べずっと安く費用を抑えられるとか。

そんな国立大学は人気が高いのですが、とにかく学校数が少ないので入学の壁もまた高いのです。そして、地方の国立はその難易度に比べて知名度がない学校もあるので「就職や人に話す機会になんとなく損をする」と感じることもあります。

主な国立大学:東京大学、東京芸術大学、京都大学、北海道大学、九州大学など

公立大学

公立大学(公立、公大)とは、公立大学法人が設置している大学のこと。

公大は都道府県もしくは市町村など、地方公共団体がお金を出すことによって運営されています。

学校数は、2020年5月時点で94校。じつは国大とそれほど数に違いがないんです。

なお、最近では生き残りに苦しむ私立大学を買い取るケースもあるとか。この流れは今後も続きそうなので、公立大学を目指す場合は細かに情報をチェックしましょう。

学費については、地方公共団体の運営につき、地元に住んでいる人は学費が安くなる場合もあります。

ただ公立大学は比較的定員が少なく学部が限定的な専門系大学がほとんど。国立よりもさらに通っている学生も少なめです。

自分の希望に合った学校を見つけるのが難しい場合もありますが、小規模ということでアットホーム感もあり。自分の専門が合えばきめ細やかな指導が得られそうなイメージがあります。

主な公立大学:東京都立大学(旧・首都大学東京)、横浜市立大学、京都市立芸術大学、大阪府立大学など

私立大学

私立大学(私立、私大)とは学校法人が設置し、運営している大学のこと。

わかりやすく言えば民間の経営者が運営を行っている大学で、運営はビジネス化していると言ってもよいでしょう。ある意味、普通の企業と同じです。

受験の難易度はピンからキリまで様々。学校の多さに加えて少子化により、定員割れを起こしている学校もあるといいます。その一方で国大より難易度が高い私大も存在。ひと口に私大といっても、単純にくくれないのです。

学費については、私立大学はビジネスでもあるので国立より学費は高め。私立大学に進学を検討の際は、学費がかなり重要な要素となってきます。ここは親とも情報をしっかりと共有して話をしましょう。

一方で高い学費を払うということは設備が良い、キャンバスが充実していることにつながる場合もあります。また、ビジネス化しているということはブランディングがしっかりしている大学も多いです。「オシャレな印象」「スポーツに強い」など偏差値よりも受けが良い場合があります。

また「2教科」や「推薦」「AO入試」など入試のタイプが様々あり、多様な生徒を確保しようとしています。ペーパーテストでの実力とは違った分野を得意とする生徒でも入るチャンスがある分魅力的ですが賛否があります(とはいえ、このような動きは国立・公立大学でも少しずつ広まってきています)。

主な私立大学:慶応義塾大学、早稲田大学、青山学院大学、立教大学、日本大学など

■それぞれにメリット、デメリットが!

ここまで簡単に国立大学、公立大学、私立大学について説明しましたが、それぞれメリットもありますし、デメリットもあります。それに学費の問題もたいへん重要です。

また、大学生が就職活動の際によく聞く言葉のひとつに「学歴フィルター」がありますが、国大・公大よりも私大(とくに中堅以下)のほうが、「学歴フィルター」を感じたという話も耳にします。これも一応頭の片隅に入れておいた方がよいでしょう。

いずれにせよ、大学を選ぶ時には親や学校ともよく相談し、自分にあったものを選びたいですね。

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