【電動キックボードの交通ルール】徹底解説!安全に利用しましょう
特定小型原動機付自転車としての基準を満たす電動キックボード等(性能等認定済シールが貼付されている製品)は、運転者が 16 歳以上であれば運転免許がなくても運転できるように道路交通法が改正されました(2023年7月1日施行)。
※参照:https://neonavi.info/9263/
交通ルールを学んで安全に運転しましょう。
目次
区分によって交通ルールが異なる場合がある
7月1日以降の電動キックボード等は、大別すると「特定小型原動機付自転車」とそれ以外の「一般原動機付自転車等」に区分されます。
そして特定小型原動機付自転車は走行モードを切り替えることにより「特例特定小型原動機付自転車」になります。
その区分によって、道路交通法上の通行方法などが異なる場合があるので注意が必要です。
特定小型原動機付自転車(特小)の基本的な交通ルール
運転免許なしで運転できる「特定小型原動機付自転車(特小)」に該当する電動キックボード等は、自転車の交通ルールとほぼ同様の交通ルールが適用されます。主なものは次のとおりです。
なお、道路標識や標示などの名称や意味が改正されたものがありますので、道路を運転する場合には道路標識や路面標示などをよく確認しながら走りましょう。
特定小型原動機付自転車(特小)の要件
特定小型原動機付自転車(特小)になる電動キックボードを運転するためには
「16歳以上であること」
また、
電動キックボード自体が特定小型原動機付自転車として扱われるためには
「保安基準を満たしていること」
・性能等確認済シールが貼付されている
・点検整備がなされている、など「損害賠償保険(自動車損害賠償責任保険等)に加入していること」
「ナンバーを付けていること」
などが必要です。
車体の点検・整備
電動キックボード等(特定小型原動機付自転車)を安全に利用するためには、乗車前に点検をすることが必要です。
特にブレーキ、ハンドル、灯火、空気圧などが正常に働くかを点検し、もし不具合がある場合は、乗車せず、整備に出しましょう。
道路運送車両法に定められた基準等に適合しない特定小型原動機付自転車や、整備不良のまま運転することは禁止されています。
通行する場所
特定小型原動機付自転車は、以下の場所を通行することができます。
・ 車道と歩道又は路側帯の区別があるところでは、原則として車道を通行する。
・ 道路では、原則として、左側端に寄って通行する。
・ 道路の右側を通行してはいけない。
・ 自転車道を通行できる。
信号機の信号に従う
特定小型原動機付自転車で道路を通行する際は信号機の信号等に従いましょう。
道路では原則として車両用信号に従いますが、
- 歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示板がある場合
- 特例特定原動機付自転車として横断歩道を通行する場合
には、歩行者用信号機に従います。
また、信号の意味も改正されました。下表は信号の意味ののうち特定小型原動機付自転車(特例特小を含む。)に関する部分のみ抜粋したものです。誤りのないようにしましょう。
左折・右折の方法
交差点の右左折は自転車と同様です。
○ 左折
左折するときは、下記のようにします。
・後方の安全を確かめる
・その交差点の手前30メートルの地点で方向指示器を操作して左折の合図を行う
・できるだけ道路の左端に沿って十分に速度を落とす
・横断中の歩行者の通行を妨げないように注意する
○ 右折
右折は、信号機のある交差点と信号機のない交差点で異なりますが、ほぼ自転車と同様です。
●信号機のある交差点
信号機等により交通整理の行われている交差点では、いわゆる「二段階右折」。
つまり、
・青信号で交差点の向こう側まで直進する
・その地点で止まって右に向きを変える
・前方の信号が青になってから進む
ようにします。
なお、特定小型原動機付自転車や自転車は、青の矢印の信号で右折することはできません。
●信号機のない交差点
信号機が設置されていない交差点等では、
・後方の安全を確かめる
・その交差点の手前30メートルの地点に達したときに右折の合図を行う
・できるだけ道路の左端に寄って交差点の向こう側まで直進する
そして、十分に速度を落として曲がります。
なお、右折する場合、その交差点を直進し又は左折する車両等の進行を妨害してはいけません。
二人乗りの禁止
特定小型原動機付自転車の二人乗りは禁止です。
ヘルメットの着用
万が一の事故の場合の被害軽減など安全のためにヘルメットを着用しましょう(努力義務)。
その他一般的な道路交通法上のルール
特定小型原動機付自転車には、他の一般原動機付自転車や二輪車、四輪車などと同様に、一般的な交通ルールも適用されます。以下は主なものです。
飲酒運転の禁止
特定小型原動機付自転車も飲酒運転は禁止です。
また、飲酒運転をすることとなるおそれのある人に特定小型原動機付自転車を提供(貸す)したり、酒類を提供し又は飲酒をすすめてははいけません。
歩行者の優先
横断歩道に近づいたときは、横断する人がいないことが明らかな場合のほかは、その手前で停止することができるように速度を落として進みましょう。
歩行者が横断しているときや横断しようとしているときは、横断歩道の手前(停止線があるときは、停止線の手前)で一時停止をして歩行者に道を譲らなければなりません。
徐行すべき場所
道路標識等が設置されている場所のほか、左右の見通しがきかない交差点、道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近や勾配の急な下り坂を通行しようとするときは、徐行しなければなりません。
一時停止すべき場所
道路標識等により「一時停止すべき場所」とされているときは、停止線の直前(停止線がない場合は、交差点の直前)で一時停止しなければなりません。
交差点の通行方法
・信号機がない交差点等では、優先道路や道幅が明らかに広い道路に出るときは、交差する道路を通行する他の車両の進行を妨害してはいけません。
・それ以外のときには、いわゆる「左方優先」。つまり交差する道路を左から進行してくる車両の進行妨害をしてはいけません。
・交差点では、交差点の状況に応じ他の車両や歩行者に注意して、できる限り安全な速度と方法で進行しなければなりません。
通行の禁止等
道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはいけません。
駐停車の禁止、駐車禁止、駐停車方法等
交差点や横断歩道付近などの法定の禁止場所や道路標識等で禁止されている場所における駐停車などは違反です。他駐停車に関する規定に従いましょう。
運転者の遵守事項
道路交通法や都道府県公安委員規則により定められている事項、例えば、運転中のスマホ等での通話や画像注視、傘さし運転の禁止などをしてはいけません。
安全運転の義務
ハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければなりません。
交通事故の場合の措置
万が一、交通事故が起きたときは、
・直ちに車両の運転を停止して負傷者を救護
・道路における危険を防止する措置を講じる
・直ちに警察官に交通事故について報告する
こと。これらを怠るといわゆる「ひき逃げ、当て逃げ」事案として罪に問われます。
割り込み等の禁止
前の車両が交差点や踏切等で停止や徐行しているときは、その前に割り込んだり、その前を横切ったり、これらの車両の間をぬって前へ出たりする行為は禁止です。
特例特定小型原動機付自転車として使用する場合
特定小型原動機付自転車を切り替えることで特例特定小型原動機付自転車として使用することができます。歩道を通行する場合などは忘れずに切り替えをしましょう。
特例特定小型原動機付自転車の要件
特例特定小型原動機付自転車であることを外部に明示するため
・ 「歩道走行モード」に切り替える(システム上最高速度6km/h以下でしか走行できない)
・ 速度表示灯を点灯させる(青点滅)
ことが必要です。
通行できる場所・方法
道路標識等により「歩道を通行できる」とされているときは、その歩道を通行することができます。
歩道を通行するときは、その歩道の中央から車道寄りの部分又は普通自転車通行指定部分を通行します。
歩道を通行するときは、歩行者優先。歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しましょう。
著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側の路側帯(歩行者用路側帯を除く。)を通行することができます。
歩行者用信号に従う
特例特定小型原動機付自転車は横断歩道を走行して横断することができます。横断する場合には歩行者用信号機に従いましょう。前述の信号の意味を参照してください。
一般原動機付自転車等に該当する電動キックボード等の運転
特定小型原動機付自転車に該当しない従来のような最高速度30km/h以下の電動キックボード等は、「一般原動機付自転車等」ということになり、電動出力に応じた運転免許(原付免許や二輪免許など)が必要です。
公道で運転する場合には、一般原動機付自転車や自動二輪車などの交通ルールに従って運転しましょう。
終わりに
運転免許がなくても特定小型原動機付自転車である電動キックボード等を公道で運転することが可能になりましたが、交通ルールが複雑です。
あなたが運転しようとするキックボード等がどの区分になるのか、そして交通ルールはどうなっているのかを確認してから道路に出るようにしょう。
もし交通ルールに違反すると、罰金等の刑を受けたり、特定小型原動機付自転車運転者講習を受講しなければなりません。
交通安全に注意して電動キックボード等をEnjoyしてくださいね。
※なお、動力の付いていないキックボードやスケートボードなどは「遊具」なので公道で使用できません。
【参照】
警察庁 HP: https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/tokuteikogata.html
国土交通省 HP: https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000058.html
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