海外インターン・就職を経て地域おこし協力隊からホステル運営へ「HOSTEL OE」萬川 奨さんインタビュー
こんにちは!ベトナムの寺内です。
今回皆さんにご紹介するのは、ホステルの運営をしながら伝統工芸のワークショップや地域おこし協力隊として徳島県吉野川市で活躍される萬川 奨(まんかわ しょう)さんです。萬川さんと私が出会ったのはベトナムにある飲食店で、当時萬川さんが大学生でインターンに来ていたのです。
今回はそんな萬川さんにベトナムにインターンへ来たきっかけや、日本帰国後なぜ地域おこし協力隊に入られたのかなど、これからの進路に悩んでいる学生さん必見の内容となっています!
目次
萬川 奨(まんかわ しょう)さん
1993年生まれ、和歌山県出身。大阪大谷大学人間社会学部卒業。
大学で国際協力ゼミに入ったことから、「海外で働きたい」と考えるように。大学4年生の時に大学を1年休学し、ベトナムへ海外インターンへ。その後ベトナムの日系ホテル関連の会社に就職。
2017年に日本へ帰国し、日本の伝統文化に携わってみたいと思い和紙製造会社へ入社。その後、2020年に徳島県吉野川市の「地域おこし協力隊」として移住。美郷ほたる館という博物館を拠点に“観光”をテーマに活動を行った後、「HOSTEL OE」の管理人になったそうです。
今回はそんな萬川さんから貴重な話をたくさんお聞きすることができました!
大学4年時に休学、海外インターンへ
──大学では何を勉強されていましたか?
萬川さん 人間社会学部では、社会と人間をテーマに社会現象を多面的に学んでいました。国際協力ゼミに入り、海外のワークキャンプ、例えばインドネシアの村で行われるお祭りのプロジェクトなどにも参加しており、「いつか海外で働きたい」と思うようになりました。教育学部の講義も取っており、教員免許も取得しました。卒業後このまま教員になるのにも興味がありましたが、海外に対する興味の方が勝り、大学4年生の時に1年休学し、海外インターンへ行くことに決めました。
──インターン先はどのように探されましたか?
萬川さん インターネットで調べ、東南アジアに特化した海外インターン斡旋エージェントを見つけました。シンガポールなどに興味があったのですが、英語力の基準値が高く、消去法でベトナムへ10ヶ月インターンへ行くことになりました。
ベトナムでのインターン生活
──ベトナムでの生活はいかがでしたか?
萬川さん 7ヶ月ハノイ、3ヶ月ダナンの飲食店でインターンをしましたが、大変なことは多かったものの、同世代の海外の人と話したり、仕事をしたのはいい経験になりました。飲食店でインターンをしたことによって、日本では出会うことのない、海外で様々な仕事をしている方と話す機会もでき、今後の進路などを考えるいいきっかけになりました。
──インターン終了後は日本で就職されたのですか?
萬川さん 帰国後は大学へ復学し、卒業後、インターン中にご縁のあったベトナムの日系ホテル関連の会社に就職しました。2017年3月からベトナム・ハノイへ移住し、マネージャーとして現地の方への指導や新規プロジェクトの構築に携わりました。しかしその会社が経営不審のため、3ヶ月で帰国せざるを得ない状況になりました。そして2017年の9月に和紙製造会社の加工業に就きました。
──なぜ和紙製造会社だったのですか?教員になろうとは悩まなかったのですか?
萬川さん 社会科の教員を目指していたのですが、海外で働いてみた時に「自分は日本の文化を知らない」と思ったのがきっかけです。伝統文化のなかでも徳島の阿波和紙について学びたいと思い、その会社に入りました。その時、吉野川市美郷地区で行われたイベント地域イベントで“まちづくり”に興味を持ち、市役所の人にも誘われ、自分の海外で働いていた経験やイベント企画などのスキルを試すいい機会だと思い、2020年に徳島県吉野川市の「地域おこし協力隊」として移住しました。
徳島県吉野川市へ移住
──「地域おこし協力隊」とはどのようなものですか?
萬川さん 都市地域から過疎地域などの条件不利地域に移住し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行うことです。任期は1~3年で、年齢やスキルによって応募できる地域が異なります。
私の場合は契約期間中にコロナが始まってしまったのですが、まずは吉野川町を知ってもらうために地方新聞等のメディアやSNSを中心に発信、その後は週4日市役所へ登庁し、市役所の若手職員さんや商工団体と共同で、吉野川市になかった観光協会の立ち上げからイベント開催や観光テーマにした活動を行なっていました。
参考:萬川さんが徳島大学の学生さんと企画したツアー: https://youtu.be/-mysCvT1pUI
──任期が終了したその後はどうなるのですか?
萬川さん 任期終了後は起業か地域にて就職になります。私は起業サポートを選び、2022年10月にオープンした「HOSTEL OE」の管理人を夫婦ですることにしました。
HOSTEL OEの管理人へ
──どのようなホステルなのですか?
萬川さん お遍路の11番札所藤井寺から近く、休憩がてら宿泊して行くお客さんが多いです。1階は飲食店(焼肉青)、2階はシルクスクリーン工房(ワークショップあり)・コワーキングスペース・ラウンジ、3階客室、4階マンスリープランルームとなっています。宿泊者はお遍路さんを含めて外国人の方も多いです。
「地域おこし協力隊」として2年間吉野川市の観光分野で活動し、最終的に地元企業の方々の協力もあり、このような形になりました。
やりたいことがわからない10代へー考えるきっかけをつくる
──海外インターンや就職、地方移住などされてきた萬川さんから、やりたいことがわからない10代に対して何かアドバイスはありますか?
萬川さん 様々な人と話せる環境に自分を置くことですね。仕事でも地域コミュニティでも、年齢や職種関係なく、多くの人と話す機会を設けると、自分のやりたいことや興味を持っていることを考えるきっかけになると思います。
“自分を愛すること”とは?
萬川さん “しょうがない”と思うことですね。諦めの意味というか、“次”と思うことで、自分から離れていくものは仕事でも人でも追わないです。縁がある人やものであればまたいつかタイミングが合う時がくるので、一つのことに固執したり焦ったりしないことです。
まとめ
萬川さんはハノイ就職時代に出会った奥様が技能実習生として来日し結婚、そして現在ご夫婦でホステルを運営されています。素敵ですね!
ホステルを中心として、プライベート感ある観光ツアーやアート系のワークショップ企画も随時進めており、住み込みやまちづくりの外部募集も行なっているそうです!気になる学生の方はチェックしてみてくださいね。
HOSTEL OE
〒776-0010 徳島県吉野川市鴨島町鴨島 字神島485-4
0883-26-0117
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