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将来の選択肢のためのキャリア教育サービス「はたらく部」代表・山本将裕さんインタビュー

こんにちは!ベトナムの寺内です。

今回皆さんにご紹介するのは、私の大学時代の友人で、現在中高生向けキャリア教育サービス「はたらく部」の代表をしている山本将裕(やまもとまさひろ)さんです。

なぜ「はたらく部」を立ち上げたのか?学校との違いは?など、将来に悩んでいたり、新しいことを何か始めたい学生さんのヒントになれば嬉しいです!

山本将裕さん

1987年生まれ、東京都出身。中央大学・経済学部卒業。

2010年、NTT東日本入社。初期配属であった宮城県石巻支店東日本大震災を経験した後、ビジネス開発本部へ異動、NTTグループ内の組織活性活動「O-Den」を立ち上げました。

その後企業内有志団体コミュニティ「ONE JAPAN」の共同発起人となり、2016年経産省のイノベーター育成プログラム「始動」2期生に。2017年より有志ボトムアップのプロジェクトでNTT東日本アクセラレータープログラムLIGHTnICの立上げ、J-Startup Supporters就任など、ベンチャー企業との協業による新規事業創出にも取り組みました。

2019年には内閣府オープンイノベーション大賞を受賞、2020年に独立し、スタートアップのアクセラレーターを実施しました。現在はNTTドコモに参画し、企業内大学ドコモアカデミー学長、「はたらく部」を立ち上げ事業推進を行なっています。

「はたらく部」について

「はたらく部」のメンバーと

「はたらく部」を立ち上げたきっかけ

──「はたらく部」を立ち上げたきっかけは何ですか?

山本さん フリーランス時代に前職の後輩とサウナで“今サービスでデジタル化が遅れているものは何か”を話し合っていて、コロナ禍の影響もあり、教育が遅れているのではないか!?と熱く語り合ったのがきっかけです。今思えばサウナが暑かったから熱くなったのかも知れないですが(笑)。その後ドコモに中途採用で入社して検証することにしました。

そして教育現場の知人や高校の先生から話を伺ったところ、私たちが学生の頃と変わらず、学生は社会とのあまり接点がないまま進学や将来の選択をしていることがわかり、キャリア教育サービスを作ろうと考えました。

──山本さん自身の進学や就活はいかがでしたか?

山本さん 私の場合も情報が少なかったこともあり、大学を名前や偏差値で選んでいましたが、今思うともっと選択肢があったらと思いました。就活に関しては2010年新卒の就活はリーマンショック等の影響で、“就職氷河期”と言われる時代でしたが、何となく自分は営業向きだと思っていました。また、営業をするのであればモノよりも形のないサービスを扱う方が様々な業界の人と繋がれるイメージがあったので、IT・情報・通信・金融を中心に就活していました。後悔はしていませんが、就活に関しても、もっと選択肢や情報があったらよかったかもしれないという思いもあり、それが「はたらく部」の発足にも繋がっています。

──わかります。私も何となく大学生をやっていたらいきなりキャリアセミナーが始まって、就活をしなければならなくなって、職業や職種もよく知らないまま受けていた思い出です。

山本さん 学校ではどのような職業や職種があるかなど、あまり教えてくれないですよね。そんな学生に社会や大人との接点を持ってもらい、早いうちから将来の選択肢を持ってもらいたいと思っています。

「はたらく部」とは?

はたらく部の夏休み特別オフラインイベントの様子

──「はたらく部」とは何ですか?

山本さん 「はたらく部」は、バーチャル空間で、現役社会人コーチと同世代の仲間と社会について考えを深める中高生向けキャリアのオンライン部活のサービスです。全国どこからでも参加可能なので住んでいる地域に関係なく、都市や地方で活躍している大人から学ぶことができます。夏休みなどにはオフラインでのイベントも開催しています。

──メインユーザーやコーチはどのような人がいるのですか?

山本さん 現在は中・高校生がメインユーザーです。現役社会人コーチは起業家や会社員、公務員やスペシャリストなど様々な業種・職種の方がいらっしゃいます。

──「はたらく部」では具体的にどのようなことが学べるのですか?

山本さん 「はたらく部」のワークショップはただ講義を聴くだけでなく、コーチとの対話でビジネスや社会・職業について知ったり、他の生徒とゲーム感覚でプレゼンや企画を行ったりします。「はたらく部」の活動の中で、自分の得意や好きを発見したり、大人とコミュニケーションを取ることや人に伝える経験や挑戦を経て、受験や就職など将来に対して選択する力や行動する力を身につけていきます。

「はたらく部」が、どんな学校にいても、社会に触れたり大人と触れる中で将来への視野がひろがる体験ができるサービスとして、全国の学校に当たり前にある選択肢となるようにしていきたいと思います。

やりたいことがわからない10代へー世界を知る

大学生時代の山本さん(筆者と同じ英会話サークルでした)

山本さん 私自身、やりたいことも決まっていない学生でしたが、将来について考えるきっかけになったのは大学生の時にした“ヒッチハイク”での国内旅行でした。

──なぜ“ヒッチハイク”旅行をしようと思ったのですか?

山本さん サークルなどで出費が多く(笑)、ちょうど当時のテレビの企画でもそういったものがあったので、自分もやってみようと思ったのがきっかけです。100均のホワイトボードとマーカーだけ用意して、地元の町田駅を出発しました。

──その旅でどのような経験をされましたか?

山本さん まずは人の温かさに触れる経験になりました。20台の車で東京から関西地方へ移動しましたが、車に乗せてくれるだけでなく、食事をご馳走してくれる方や旅の資金に、とお金をくださる方がいることに驚きました。乗せてくれる方の職業も運転の目的も様々で、仕事中の方からこれから遠距離の恋人に会いに行く途中(その恋人へのお土産のシュークリームも私にくれました笑)、たくさんの犬を乗せて出かけてる人、何となくドライブしている人、中卒で社長やっているという謎の経歴の人など、普段出会えない大人に出会える旅で、仕事やプライベートでの良い話から苦労話まで(笑)貴重な話が聴けた思い出です。

特に印象に残っているのが10tトラックの運転手さんです。強面且つ大型トラックの運転手さんだったので、何となく怖いイメージがあったのですが、とても気さくな方でした。「後ろに何を積んでいると思う?」と聞かれて、全く想像がつかなかったのですが、正解はジュースの元になる“水あめ”でした。“金賞を受賞している水あめで、それが有名なジュースになっている。自分が運ばないと、沢山の人やお店が困る”、と運転手さんが自分の仕事に誇りを持っていることがとても印象に残りました。その時に“働く”ことは“誇り”を持つことであり、世の中や社会のために動くことなどだと思いました。

──素敵な旅ですね。ただヒッチハイクの旅をするとなると、なかなか勇気がいりますね。

山本さん そうですね。流石に中高生にヒッチハイクの旅に出るのを強く勧めることはできませんが、多くの大人と触れ合って、仕事だったり興味があることに気付くことは多いと思います。凄い人から変な人まで、先人はたくさんいます。

──山本さんは現在全国の中学校や高校でも登壇をしているそうですが、実際に学生と触れ合ってみて何か感じることはありますか?

山本さん 今、学生の方は自分の世界が学校だったり家族だったり、小さな世界にいます。様々な人と接点を持ち、他の世界を知ることが、やりたい事や将来の展望に繋がると思いますが、現在は地域コミュニティなども希薄化しています。そんな中高生に、私たちが選定した面白い大人との接点を作るきっかけに「はたらく部」を利用していただけたらと思います。

“自分を愛すること”とは?

プレゼンをする山本さん

山本さん 私は元々自己肯定感が高くありませんでしたが、学生時代のサークルやヒッチハイクの旅、現在までのキャリアなどを経て自分の“好き”を見つけていくことで変わってきたと思います。勇気を出して知らない世界を知ったり飛び込んでみることで、自己肯定感を上げることや好きな自分を見つけることができると思います。

先日、中学3年生の時の山本さんから現在の山本さんに届いた手紙。「1行しか書いてないくらい自己肯定感が低かった」と山本さん。

「これから様々な企業や塾などの応援も得ながらしっかり事業を大きくし、将来は海外もふくめて可能性を広げていきたい」と仰っていた山本さん。現在将来に悩んでいる学生さんは「はたらく部」に参加してみてはいかがでしょうか?

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