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運転免許保有者の仲間になる【運転免許を取る前に】

高校生の皆さんの中には、すでに運転免許を持っている人もいるかもしれませんね。

反対に、学校の校則で運転免許の取得が禁止されている、という人もいるでしょう。

でも多くの方はこれから運転免許を取得することになるでしょう。

運転免許保有者とは?

令和2年12月末の運転免許保有者は、免許取得することができる16歳以上の人口(これを「運転免許適齢人口」といいます)の66.0%、30歳台では人口の90%以上が運転免許を保有しています。このことから”国民皆免許時代”といわれているんです。

都会ではクルマを運転する必要性が低いかもしれませんが、地方では公共輸送機関が十分に整備されていないためクルマがないと生活できない、就職もできないなどの理由から運転免許を取得することが必須です。

運転免許取得可能年齢は?

運転免許の種類により取得年齢は異なりますが、おおむね以下のようになります。

  • 原付免許や普通自動二輪免許:16歳
  • 大型自動二輪免許や普通免許・準中型免許:18歳

自動車教習所(学校)には誕生日前でも入校できる

運転免許試験は誕生日が来ないと受けることができないですが、自動車教習所(学校)には誕生日前でも入校することができます。

例えば普通免許を取得するためには17歳でも自動車教習所に入校することができますが、仮運転免許(仮免)の受験は18歳に達していることが必要です。

一般的には、誕生日の1か月前頃からの入校のみを認めている自動車教習所が多いですね。

運転免許の段階的取得

公安委員会(実質事務は警察が行っている)や自動車教習所などでは、運転免許は単に年齢に達したからというのではなく、「段階的取得」ということを推奨しています。

これは、最初から大型自動二輪免許を取得するのではなく、例えば、まずは原付免許を取得し,次に普通自動二輪免許、そして大型自動二輪免許というように、小さい車種の運転免許から順次大きい車種の免許を取得するようにしようということ。

その理由は、バイクの排気量や大きさ、運転特性などに慣れることで、安全な運転操作等が十分に行うことができるようになると考えられているからです。

また、同じような理由で、普通免許 ⇒ 準中型免許 ⇒ 中型免許 ⇒ 大型免許というように自動車の免許についても段階的な取得を推奨しています。

学校等における取得制限

免許取得可能な年齢になっても、学校等によっては校則で運転免許の取得を制限したり、他人のバイクなどに同乗することを禁止しているところがあります。

無断で運転免許を取得した場合や友達のバイクに同乗すると、校則違反として停学などの処分を受けることがありますので要注意ですね。

運転免許を取得したい人は、一度校則を確認してくださいね。

自動車教習所に入校する前に学校の承認を必要としているところもありますから。

「三ない運動」って知ってる?

1970年代から二輪車事故が多発したり、暴走族が増加したことなどから、バイクは危険な乗り物というようにイメージが悪化し、「高校生に対するオートバイと自動車の三ない運動(通称「三ない運動」)」というのが全国的に行われてきました。

この運動は、

高校生に「免許を取らせない」「(バイクを)買わせない」「(バイクを)運転させない

という三つの「ない」をスローガンとして掲げた運動です。さらに「車に乗せてもらわない」を加えた「四ない運動」を行っていた自治体もありました。

校則等で免許取得などを禁止しているのは、この「三ない運動」からきているといわれています。

最近では三ない運動は一応廃止されたといわれていますが、平成29年(2017年)に「日本自動車工業会二輪車特別委員会」が全日制高校(1938校)に「原付免許取得状況」調査を実施したところ、免許取得を禁止している学校は978校(50.5%)だったそうです。

現在、文部科学省は全国の高校等に「高等学校等における生徒の運転免許の取得に係る留意事項等について」(平成30年事務連絡)で生徒の運転免許の取得について「最終的には校長の権限において適切に判断されるべき事柄」と指導しています。

このことで、「高校生のバイクは禁止から教育へ」というように大きく考え方や流れが変わってきました。

高等学校等における二輪車の交通安全教育

学校や地域をあげて、高校生等の二輪車の交通安全教育を行っているところもあります。

一例ですが、熊本県の矢部高校では二輪車競技部を設けて「二輪車に乗せて指導」を方針とした教育を行っています。埼玉県では県内のエリア別に高校生を対象とした二輪車講習会を開催しています。

矢部高校における二輪車交通安全教育
埼玉県における二輪車交通安全教育

また、山梨県や鹿児島県のように、高校生の通学目的で原付免許を取得し、バイクで通学することを可能としている県もあり、バイク通学者を対象とした実技講習会等を開催しているところもあります。

二輪車の交通安全教育の際には、警察の白バイ隊員や二輪車指導員等の資格を持つ方、自動車教習所、その他団体などが協力して開催しています。

<二輪車の交通安全教育に関する参考URL>

免許取得前教育

文部科学省は、学校等において行う交通安全教育について「交通社会の一員として交通ルールを遵守し自他の生命を尊重するなど、責任をもって行動することができる健全な社会人を育成することが重要」(平成30年事務連絡)としています。

その中で、

高校生等は近い将来に運転免許を取得することが予想されることから、免許取得前の教育として、自他の生命を尊重する態度の育成,交通事故には責任や補償問題が生じることを理解させ,加害事故を起こさない努力が必要であるという視点を重視した交通安全教育を行うこと。

特に、二輪車・自動車の安全に関する指導には、安全運転に関する意識の高揚と実践力の向上と二輪車の実技指導等を含む実践的な交通安全教育の充実を図ること。

としています。

このことを背景に、最近は徐々にですが、運転免許取得前に二輪車や車などを使った交通安全教育が行われるようになってきています。

最後に

高校を卒業する前には運転免許を取得しようとする方が多いかと思います。

運転免許を取るときには自動車教習所に入校するなど高額な費用が必要になりますよね。

高校生割引や学割、閑散期割引などの割引制度を設けている自動車教習所もあるので、リサーチしてみるとよいでしょう。

10代の皆さんはこれから先長~く道路交通の場での生活となるので、運転免許の取得を含め交通ルールを遵守し安全な行動がとれるようにしましょうね。

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