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自分が“加害者”になる前に。「自転車保険」とその重要性【中高生の親必見】

学生時代自転車で通学をしていたという方は多いのではないでしょうか?筆者は電車通学でしたので完全な自転車通学ではありませんでしたが、最寄り駅までは自転車を使うことも多くありました。

今、多くの自治体では自転車保険の加入が義務付けられています。つまり、自転車に乗るには「免許はいらないけれど保険に入る義務がある」ということです。

子どもが“加害者”に!?万が一のときの「自転車保険」とその重要性

近年、増加傾向にある自転車事故。子どもの運転する自転車でケガをさせてしまうケースが目立ち、自転車保険への注目が高まっています。

自転車保険の重要性を意識せざるを得ない一件が、平成20年9月22日に兵庫県神戸市の坂道で起きた衝突事故。

当時小学校5年生だった少年の乗った自転車が、歩行者の女性に衝突。女性は一命を取り留めたものの、事故の影響で寝たきりとなり、意識が戻らない状態が続いているといいます。

自転車保険義務化のきっかけ

事故は少年が帰宅途中の出来事。ライトを点灯し坂を下っていたところ、前方の女性に気づかず正面衝突。女性は突き飛ばされる形で転倒し、頭を強打しました。

女性側は、少年の運転が交通ルールに反した危険なものであり、また、母親は日常的に監督義務を負っていたと主張。損害賠償を求めました。

それに対し、母親側はライトの点灯やヘルメットの着用を指導していたと主張していました。

裁判所(神戸地裁)は、少年の前方不注視が事故の原因と認定。少年は事故時ヘルメットを未着用だったことなどを理由に、「監督義務を果たしていない」として、母親に約9500万円の賠償を命じています。

この高額な賠償金は当時ニュース等でも大きな話題に。子を持つ親にとって1億円近い高額な賠償金は、たいへん衝撃的な金額でした。。

ところで、その約9500万円の内訳は一体どういった内容だったのでしょうか。とても気になりますね。ある新聞報道によれば、その内訳は

①将来必要となる「介護費」約3940万円
②事故で得ることのできなかった「逸失利益」約2190万円
③けがの後遺症に対する「慰謝料」2800万円

というものだったようです。

自転車保険は加入義務がなく、高額な賠償命令が出された場合、加害者側が自己破産に至るケースも少なくないといいます。しかし、裁判で決定した賠償額は自己破産をしようが取り消しになることはありません。分別もつかない未成年が起こした事件ですので家族に支払い義務がいきます。

また死亡事故よりも後遺症が大きい方が介護費用などがかさみ高額な請求となります。そうした背景から、この事故をきっかけとして自治体を中心に自転車保険制度拡充への動きが目立ち始めました。

自転車保険加入を『義務』としている都道府県

宮城、山形、埼玉、群馬、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、愛媛、福岡、大分、宮崎、鹿児島

(市町村単位で加入を義務とする自治体もあります)

自転車保険加入を『義務努力』としている都道府県

北海道、茨城、千葉、富山、和歌山、鳥取、徳島、香川、高知、熊本

自治体の条例で義務化されていても、現在のところ保険未加入による罰則があるわけではありません。とはいえ、条例によって加入が義務付けている以上は、ある意味では自分たちを“守る”という意味でも備えはしておきたいものです。

自転車保険の入り方

自転車保険の加入方法はインターネット、コンビニ、自転車屋になります。自転車屋で自転車を買ったときに同時に保険にも加入することが多いですが、コンビニや自転車屋はそのお店と提携した保険となります。つまり、自分で保障を比較して選ぶことができません。

おすすめはインターネットです。煩わしい紙の手続きがなくお目当ての保険に入ることができます。

万が一の備えに自転車保険加入の検討を!

自転車保険の義務化では、自分が加害者になったときの相手への賠償に備えることが義務付けられています。また、自転車の事故では加害者にならずとも、自分自身が大きなケガをする可能性も考えられます。

保険義務化への流れは、自転車事故の危険性や安全な大切さ、そして事故に備えた保険について考えるよい機会かもしれませんね。

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