今月、これ観た!【2022年2月】
NEONAVI編集部が2月に観た映画をご紹介。
なんとなく映画観たいけどなに観たらいいかわかんないよ!という時はこの中から選んでみては?
洋画→邦画の順で年代順に並べているよ。
目次
哀愁(1940)
- 製作年:1940
- 監督:マーヴィン・ルロイ
「メロドラマ」と聞いてどんなものを思い浮かべるでしょうか?「恋をする男女」を観て「涙を流す」。ルロイ作品の涙を誘うものは、表面的なものだけではない上質な絹でできているよう。あるあるなストーリーで別に悪いことはなにもないし、真面目に王道を突き詰めるかっこよさって素直にかっこいい。メロドラマが苦手な人にもおすすめしたい作品です。
原題はWaterloo Bridge(ウォータールー橋)ですが、『哀愁』という邦題は観終わったあとにさらにこの映画に余韻をもたらしてくれました。
『風と共に去りぬ』以外でヴィヴィアン・リーを観るのは初めて。この強くて繊細な眼は、彼女にしかできないと改めて思いました。主演の二人とも、自身の出演作の中で一番好きな作品は『哀愁』だそうで、なんか嬉しくなりました。
心の旅路(1942)
- 製作年:1942
- 監督:マーヴィン・ルロイ
こちらも邦題がほんとうに素晴らしい!ここ20年くらいは作品を殺すような邦題が目立っていたけど、この時代の邦題はなんてセンスがいいのでしょう。
ルロイ作品を2作続けて観て、ルロイは美しい女性を美しく撮ることが本当に好きなんだとわかりました。これ以上ソフトフィルターをかけたらたぶんモザイクになっちゃうくらい。
『哀愁』の次に観たほうが絶対いいと思います。
ロープ(1948)
- 製作年:1948
- 監督:アルフレッド・ヒッチコック
全編をワンシーンで繋げ、映画の本編と実際の時間が同時に進むという実験的な試みがなされたサスペンス映画。当時の撮影用のフィルムは10~15分が限界だったので、実際には背中や蓋を大写しにするワンカットを入れることで全体がつながっているように演出しています。
最近だと『1917』がワンカットの手法で話題になりました。
ワンカットは観客と映画の時間経過が同じなので、没入感があり、作品の中に入り込んだような感覚になります。『ロープ』はアパートの一室の中だけで時間が経過していくので、舞台を観ているかのような気持ちになりました。学芸会でやったら絶対楽しいと思います!
パリ・テキサス(1984)
- 製作年:1984
- 監督:ヴィム・ヴェンダース
カート・コバーンが好きだったと知って高校生の時見たけどそれから2度目の視聴。
当時とは違う目線で見ることが出来ました。好みが別れそうだがぬるま湯に浸かっているような世界観が心地よい。ひとつの家族の物語で繊細で不器用なトラヴィスと息子の関係が修復されていく様は見てみて涙腺が緩んでいく。ジェーンとのガラス越しの会話も哀愁と愛情に溢れていて目が離せなかった。 ライ・クーダーの哀愁漂う音楽と映像がとてもマッチしている。 若い頃のナスターシャ・キンスキーがとても綺麗。子役の演技もとても良かったです。
人生スイッチ(2014)
- 製作年:2014
- 監督:ダミアンジフロン
魔が差して行動したことによって人生が変わってしまう6つの短編のオムニバス映画。
アルゼンチンには詳しくなく、サッカーのイメージが強かったのですが、この映画で日常の生活を知ることができました。あるあるも詰まっていて、古今東西トラブルや怒りの原因は似てるんだなぁと思いました。
コロンバス(2017)
- 製作年:2017
- 監督:コゴナダ
ひたすらに構図がキマっている映画。美しい建築を映すたびに、バチーンと構図がハマる音が聞こえるようでした。
図書館員のケイシーは、夢を諦めて母の看病を理由にコロンバスの街に留まっているのですが、身動きがとれないもどかしさは10代のみなさんにぜひ観てほしいです。
血と骨(2004)
- 製作年:2004
- 監督:崔洋一
1923年の朝鮮から移民として大阪に移り住んだ北野武が演じる金俊平とその家族の物語です。現代だと『サイコパス』を始め色んな病名をつけられると思うのですが、当時の状況と貧困の中ではそのような解釈はなく、ひたすら暴力を我慢するしかなかった家族や近所の人たちのどうしようもない心境が伝わってくる映画でした。
カメラを止めるな!(2018)
- 製作年:2018
- 監督:上田慎一郎
予算300万円のインディーズ映画でありながら口コミで話題になった映画です。
前半と後半で大きく変わっていく構成で見応えがありました。この世には色んな役者さんがいるということとと、色んな裏方の仕事があるんだと分かりました。10代はこの映画を見て映画業界を志す子もいるのではないかと思います。
ばるぼら(2019)
- 製作年:2019
- 監督:手塚眞
手塚治虫の漫画原作を息子さんが監督として実写化した作品で、1970年代の混沌とした新宿の映像表現が良かったです。ばるぼらはある存在の擬人化で、作家たちはばるぼらを求めて狂って行くという物語なのですが、令和の時代にも通用する朽ちないテーマで、改めて手塚治虫は天才だと思いました。
とんかつDJアゲ太郎(2020)
- 製作年:2020
- 監督:二宮健
不評な意見が多いですが、ストーリー展開や音楽がテンポよく、知ってる俳優が沢山いて知識がなくても楽しむことができます。渋谷のトンカツ屋の3代目の主人公がトンカツとDJを重ねて閃いていくのがぶっ飛んでいて、理屈関係ないのがさすがギャグ漫画原作だなと思いました。
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