Stray Kids(ストレイキッズ)徹底解説!スキズ、「ステイ」の由来や意味、メンバー紹介、サバイバル、アルバム・楽曲の特徴
目次
Stray Kids(ストレイキッズ)とは
リーダーであるバンチャン自らメンバーを集めて結成し、サバイバル・リアリティ番組を通して2018年3月25日にデビューした韓国の8人組ボーイズグループ。メンバー全員が、曲作りからレコーディング、振り付けまで、全てのプロデュースを担う自主制作アイドルです。2020年3月18日にベストアルバム「SKZ2020」にて、日本デビューを果たしました。
Stray Kids(ストレイキッズ)の由来
Stray Kidsは、「彷徨う子供たち」を意味しています。“Stray Kids”の“Stray”には、古い伝統や形式、システムを打ち破り、そこから抜け出すという意味が込められています。(Stray Kids Official Website (straykidsjapan.com)より)また、「世界中で彷徨っている子供たち、人々を自分たちの音楽で照らす」というメッセージも込められています。略してスキズと呼ばれることがほとんどです。
ファンダム名
ファンダム名は、STAY(ステイ)。Stray Kidsから“r”をとると“stay”になります。「STAYはStray Kidsが存在する”reason(理由)”だから」とリーダーであるバンチャンは話します。
Stray Kids everywhere all around the world
これは、スキズにとってとても大切なスローガンです。ここでいうStray Kidsは、世界中の彷徨っている人々のことです。スキズが世界を制しどこにでもいるという意味ではなく、“すべての人と繋がっていれば、その瞬間どこで何をしていても私たちは無敵で素敵なんだ“というメッセージが込められています。目的もなくただ彷徨い続ける人、孤独を感じている人、悲しい思いをしている人、どこで何をしていても、僕らが繋がっていれば無敵…
授賞式やライブで、スキズはこのスローガンを掲げてくれます。歌詞に登場することも多々あります。特に、ライブ終盤では必ずこのスローガンをスキズとステイで叫ぶ瞬間があります。
スキズ「Stray Kids everywhere all around the world」
ステイ「You make Stray Kids stay」
サバイバル・リアリティ番組
韓国4大事務所のひとつであるJYPの練習生たちのデビューをかけたサバイバル番組で、ストレイキッズが誕生しました。
通常のサバイバル番組では、デビューを夢見る練習生たちが様々なオーディションやミッションに挑戦し成績を残した最終メンバーがデビューを掴み取りますが、スキズのサバイバルは異例の形式で行われました。
JYPの代表であるJ.Y.Park(パク・ジニョン)が、当時信頼を置いていた練習生のバンチャンに “一緒にデビューしたいメンバーを選びなさい” と声をかけ、バンチャンが自らの手で8人のメンバーを集めました。そのため、サバイバルで初めてパクジニョンと対面したメンバーもいたそうです。
「全員でデビューする」という異例の目標を掲げながらJYPに挑んだサバイバル番組でした。
現在、公式で視聴できるサバイバル番組は編集バージョンのみYouTubeにて公開されています。
楽曲の特徴
スキズの音楽は麻辣味といわれるほど、中毒性の高い独特なリズムと巧みな言葉遊びが詰め込まれています。K-POPの枠を飛び越えた、スキズにしかできない音楽が魅力的です。
本国(韓国)人気を獲得しやすいコンセプトや楽曲は、爽やかでかわいいものや耳に馴染む聞きやすい曲調が求められますが、スキズはスキズの音楽を貫くところがかっこいいです。
現在は非常に高い支持を得て活躍していますが、デビュー前から注目を集め期待されてきたにも関わらず、全ての人に好まれる音楽よりも自分たちが作りたい楽曲で勝負しつづけることは決して簡単なことではありません。曲だけでなく振り付けもかなり新鮮で変わったもので、まさにストレイキッズだけの世界観を作り上げています。それも、メンバー自身が新しい挑戦をしようと試行錯誤しながら作り上げた努力の結晶でもあります。
ユニット曲やソロ曲では、個人やメンバー同士の雰囲気、ひとりひとりの感性を最大限に生かした幅広いジャンルで曲を出しています。
アルバム
ここからはストレイキッズのアルバムを紹介します。
ストレイキッズとして初めて出したアルバムは、「Mixtape」です。デビューアルバムの前のPre-Debut Albumとして、リリースされました。サバイバル番組で披露した7曲が収録されており、もちろん全て自作曲です。また、収録曲のうち3曲は、サバイバル番組でユニットごとに披露した楽曲です。「GLOW」は、チャンビン・リノ・フィリックス、「School Life」は、ハン・アイエン・ウジン(元メンバー)、「4419」は、バンチャン・ヒョンジン・スンミンで構成されていました。
hell(地獄)+elevator(エレベーター)をかけてメンバーが作った造語。サバイバル番組で誕生したHellevatorは、練習生の地獄のような日々から必死に這い上がろうと自分自身を奮い立たせる覚悟の曲です。この曲は女性キーでつくられていたため、パクジニョンから「男性が歌うにはあまりにも高すぎる」と指摘されましたが、堂々と歌えるまで必死に練習を重ね、そのままリリースしました。そして、デビュー曲である"District9"ではさらに高い音域を設定し、リリースしました。
2018年3月にミニアルバム「I am NOT」でデビューを果たしたスキズは、メンバー自ら作詞・作曲・プロデュースを手掛ける等、非凡な才能をもったグループとして大きな注目を集めました。その後、「I am WHO」,「I am YOU」をリリース。私は私じゃない、では私は誰なのか、そうか私は君なんだ、とI amシリーズを通して、自分自身を問い続けました。
2019年、「Clé:MIROH」,「Clé:Yellow Wood」,「Clé:LEVANTER」の3作をリリース。Cléは、フランス語で鍵という意味を持ちます。目の前にふたつの道が分かれていたとして、その鍵で一方を選べば、他方を選んだ自分が経験するであろう全てを放棄することになる葛藤を表現しています。
3年目に入ったスキズは、会社の方針や意見に影響されず、自分たちの作りたい音楽とメッセージをさらに強く込めた作品を世界へ届けます。ストレイキッズの大きな特徴の一つとして、アルバムや曲名、歌詞に登場する言葉遊びやメンバーのアイデアによる造語があります。
2020年に出した二つのアルバムでは、音をそのまま韓国語で当て字にするともう一つの意味が浮かび上がります。
「GO生」→GO LIVE(고생)”苦労“
「IN生」→IN LIFE(인생)”人生“
2021年、“スキズの音楽は工場から出る音みたいでうるさい“と批判され、それをアルバムのコンセプトにしたものが「NOEASY」です。所属事務所から初のミリオンセラーを記録しました。ここでも、NOEASYは、no easy - noisyと二つの意味がかかっています。
同年、シーズンソングとしてミニアルバム「Christmas Evel」をリリースします。ここでは、Eve – Evilをかけています。タイトル曲には、スペイン語でメリークリスマスという意味の”Feliz Navidad”と、”Felix never bad”をかけてメンバーのFelix(フィリックス)を登場させる、自主制作だからこそできる遊び心を取り入れたフレーズにも注目です。
2022年、ミニアルバムODDINARYとMAXIDENTの二つをリリース。「ODDINARY」 は、odd(異常)+ordinary(普通)の単語を組み合わせた造語です。人は誰もが他人と違った姿やおかしな一面を持っているが、異常であることは決しておかしいことではなく普通のことであるというメッセージが込められています。
「MAXIDENT」は、maximum(最大)+accident(事故)/incident(事件)をかけ合わせた造語で、恋に落ちた瞬間を最大の事件と表現した”CASE143”がタイトル曲としてリリースされています。
2023年は、フルアルバム「★★★★★(5-STAR)」がリリースされました。GO生のタイトル曲”神メニュー(God’s menu)”に、「Cookin’ like a chef I’m a 5 star ミシュラン」というフレーズがあります。今回は、その5 starがアルバム名として登場しているのです。実際には、ミシュランは三つ星までしか存在しませんが、スキズは独自に五つ星というランクを作り、それを最高級の格付けと表現しました。タイトル曲である”특(S-Class)”は、日本語で「特」という意味です。「特」には、特別、特級、特異といった様々な意味が含まれます。5-STARは、ストレイキッズの音楽に対する自信や今まで自分たちがやってきたことを肯定する自負心に溢れたアルバムです。
そして同年11月、人間の持つ様々な感情を表現し、樂とROCKをかけたミニアルバム「樂-STAR(ROCK STAR)」がリリースされました。タイトル曲”락(樂)(LALALALA)”のMVでは、高まる緊張感や恐怖心から生まれる喜びや怒り、哀しみの感情に打ち勝ち、最後に樂が残るというメッセージ性の強い世界観を表現しています。
Intro(イントロ)
スキズは、アルバムがリリースされるたびに、「Intro」というコンテンツを公式YouTubeにて公開しています。そのアルバムへの思いやそこに至るまでの制作過程、レコーディング、ダンス練習風景が、ありのまま写されています。完全な自主制作グループならではの面白さでもあり、本人の口から本音を聞くことができるのでとても重要視されているコンテンツです。
以下は、GO生のアルバムがリリースされたときのIntroです。GO生のタイトル曲である「神メニュー」は、スキズの本当の始まりともいえる楽曲です。今となっては、スキズを形容する楽曲といっても過言ではありませんが、実は直前まで神メニューは収録曲にすら入っていませんでした。
撮影もすべて終えた状況のなか、メンバーは直近に完成した神メニューをタイトル曲にするべきだと強く主張し、事務所もメンバーを信じタイトル曲の変更から撮影の撮り直しまで、全て組み替えました。スキズが自分たちの選択した道に確信を持っていたことに加え、メンバーを信頼し、許可を下した事務所も素敵です。
それ以降、事務所は、「これからはこの子たちに企画を任せて我々は細かなサポートをするべきだ」と確信したそうです。
Mashup Video
スキズは、Introの他にも、アルバム発売前に Mashup Videoを公開しています。
アルバムに収録されている楽曲のボーカルトラックや伴奏トラックなどをそれぞれ抽出し、ミックスしたり重ねたりすることでまるでそれが一曲であるかのように繋ぎ合わせます。あまりに大きなスポ(ネタバレ)では?と思うかもしれませんが、Mashupされたものと実際の楽曲を比べてみると、bpmや裏メロが編集されていて、全く違った音楽であることが分かります。
また、一方の伴奏にもう一方のボーカルを重ねていたり、何曲も重ねていたりするので、音源が公開されてから改めてMashupを聴くと、この曲の裏にほかの曲が流れていた、なんともないと思っていたこのリズムが実はタイトル曲のハイライト部分だった、といったことがあります。
これも、自分たちで音楽を作っているからこそできる強みだと思います。彼らが音楽で自由に遊び、楽しんでいることが伝わるので、ステイもカムバ期間(カムバック=新曲やニューアルバムをリリースすること)は、Mashupが公開されるのを楽しみにしています。
3RACHA
バンチャン、チャンビン、ハンの3人で構成されたプロデュースチーム。スキズのほとんどの楽曲を製作しています。練習生のとき、会社に秘密でミックステープをネットに公開していたこともあります。
同世代に共感しやすい歌詞で、恋愛曲よりはその年代特有の悩みや励ましの曲が多く、直接的な表現で共感を呼んでいます。また、2023年9月23日のGlobal Citizen Festivalでスキズがパフォーマンスする予定でしたが、メンバー3人の交通事故により、急遽3RACHAだけでの出演となりました。出演を取りやめる選択肢もあった中で、スキズとして3人が堂々とステージに立つ姿は、揺るぎないメンバーからの信頼とスキズの音楽を生み出すプロデュースチームとしての責任感を感じました。本当にかっこいいです。
2023年12月14日、フィリピンで開催された2023AAA(Asia Artist Awards)にて、3RACHAがベストクリエイター賞を受賞しました。ストレイキッズの音楽が大衆的に認められた瞬間であり、スキズの中心核である3RACHAがこうして価値のある賞を受賞できてとても誇らしい気持ちです。
3RACHAの他に、ダンスチームのDANCE RACHA(リノ、ヒョンジン、フィリックス)、ボーカルチームのVOCAL RACHA(スンミン、アイエン)が、それぞれの担当を担っています。それぞれの担当はありますが、実際はメンバー全員が曲作り、ラップ、ボーカル、ダンスをこなすことができます。
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