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「闇バイト」に注意しましょう。~ 闇バイトは犯罪です ~

「闇バイト」最近ニュースなどでよく耳にしますね。

「闇(やみ)」というだけになんとなくヤバそうな気がしますし、ニュース報道などでも検挙されたことが話題になっているので知っているとは思いますが、改めて解説したいと思います。

お金は誰もがほしい

学生でも、働いている人でも,お小遣いはいくらあっても良いですよね。

対戦ゲームなどで課金していると出費が馬鹿にならないし、また借金があると余計に手っ取り早く稼ぎたいと思ったりーー。

実はそこが狙い目なんです。

簡単に、楽して、しかも高収入が得られるバイトをしたいと思うのは誰も同じ。そういう人間の心理をついているのが闇バイトなのです。

「闇バイト」って?

そもそも闇バイトとは・・・?

SNSやインターネット掲示板、求人サイトなどを通じて、「高収入」、「高額報酬」、「簡単な仕事」などの甘い言葉に誘われて応募し、結果として犯罪行為や違法行為(以下「犯罪行為等」と記載します)を行ってしまうバイトのことをいいます。

闇バイトは大別して二つの形態がある

1つは、あらかじめ犯罪行為等を行うことが推察できる、または具体的な犯罪行為等を示してバイトを募集する形態。

つまり応募者が応募の段階で、窃盗や強盗などの犯罪行為等を行うであろうと認識しているというもの。

2つめは、外形上は一般的なバイト募集の形態をとっているが、実はその裏では犯罪行為等を実行させようとする形態。

こちらは応募してから犯罪行為等だと分かる場合や、いつの間にか犯罪の実行行為者などになっていたというもの。

いずれの場合でも「闇バイト=犯罪」ということになります。

参照;警視庁_闇バイト防止啓発動画より

闇バイトの募集方法は?

募集方法は、SNSやインターネット掲示板、求人サイト、口コミ、知人の紹介など様々。

「強盗募集」など犯罪行為等を明示したり、強盗を「タタキ」、スマートフォンの転売を「飛ばし」などと隠語を使っている例もあります。

例えば「タタキ、一山 10万円以上!3名限定」という募集は......要注意。この意味は「強盗する人を募集、ヒトヤマ(一件)行うと10万円上、3名限定」ということを意味します。

闇バイトの正体は、高い報酬をエサに犯罪行為等を行う人を募集しているのです。

問い合わせでも、即個人情報を収集される?

バイト募集のSNSやネット掲示板に誘われ問い合わせしようと電話をしたり、メール返信、掲示板に表示されているリンク先URLやアクセスボタンをクリックすると、

  • 住所氏名を確認する
  • その場でオンライン面接をする
  • 運転免許証や学生証などの身分を証明する書類の画像をスマホから送付させる
  • 専用アプリをインストールさせる
  • バイト料の振込のためと称して「新しい口座・通帳」を作らせる

など、あなたの電話番号やメールアドレス、顔写真、身分証明書、履歴書などの個人情報が相手方に抜けてしまう可能性があります。

そこに落とし穴があるんです。

言葉巧みに引き込む

問い合わせに対しては、言葉巧みに「高額報酬」と「簡単な仕事」というキーワードや甘言を用いながら闇バイトに引き込んでいきます。

問い合わせや募集の際の内容の説明では、「お金を預かってくるだけ」とか、「ATMでお金下ろしてくるだけ」などと言葉巧みに誘われ、いつの間にか犯罪行為等を実行することに・・・。

違法行為と知らなくても犯罪は成立する

言われるまま、ちょっと手伝いのつもりでやったバイトだが・・・
後日警察に「振り込め詐欺に加担した」などと取調べを受けたり、逮捕されたり・・・

本人がアルバイトの内容が犯罪であると認識せずに行った行為でも 、詐欺罪や窃盗罪などに当たります。

闇バイトはやめるのが難しい

一旦応募するとやめるのはなかなか難しい。
なぜなら、闇バイトに応募する際に、身分証明書などの細かい個人情報や家族の情報などが相手方に知られているからです。

バイトに応募したあと「なんとなくヤバそう」とか、指定の時間場所に行ったが「手伝ってと言われたことがヤバそう」などと不安になり、「バイトをやめたい」と告げると、応募したときの履歴書や学生証のコピーなどをもとに

  • 学校や家族にばらす
  • 家族に危害を加える
  • 今から家に行く
  • 数人に取り囲まれた

など、脅かされて抜けられない状態になっていた・・という例が多いです。

闇バイトの実態は?

ところで闇バイトは多いのでしょうか?

警視庁(東京都警察)が行った2022年中の特殊詐欺の実行役として摘発した少年153人の実態調査では、約3割が交流サイト(SNS)の「闇バイト」に応募していたそうです。

犯行への加担の経緯については、
「友人の紹介」:39・9%
「SNS関連」:28・8%
「先輩の紹介」:20・3%
であり、人間関係からの誘いこみが約6割。
SNS関連での勧誘では「1週間で50万円稼げる」というものもあったという。

また、バイト内容が特殊詐欺の「受け子」や「出し子」などをした人のうち、88.2%が「詐欺と認識があった」と回答していました。

犯罪になるかもと思いつつも、「警察に捕まる危険はあるが、1回だけなら大丈夫」などと安易に考えている少年もいたといいます。

一方、グループから抜けられないように指示役から脅迫を受けていた少年は21.6%おり、「どこで生まれ、家族が誰かまで知ってんだぞ」などと脅されていたようです。

警視庁管内では、闇バイト関連事犯が2023年(1月~5月)は前年同期(2022年)と比較して3倍にも増えているといいます。

警視庁は、SNSでの応募を減らすため「#BAN(バン)闇バイト」という活動を展開しており、公式ユーチューブで注意喚起動画を公開していますので参考にしてください。

参照:警視庁 闇バイト防止啓発動画より

闇バイトの犯罪例

闇バイトの内容・行為と罪について下表を参考にして下さい。

闇バイトを見極めるためのポイントは?

「闇バイトは犯罪」、「闇バイトに手を出すな」といわれているように、ヤバイ内容のバイトとわかっている場合には手を出さないのが一番。

しかし、最初から「闇バイト」と表示しているものは少なく、闇バイトとわからない例も多いようです。

闇バイトを見極めるために、以下のような点に注意しましょう。

① 甘い言葉に惑わされない

「高額バイト」「即日入金」「高額即金」「副業」「ハンドキャリー」「書類を受け取るだけ」「行動確認・現地調査」「親切丁寧にアドバイス」などの甘言に注意。「楽」をして大金を稼げるアルバイトは存在しません。

② アプリのインストールを求めるバイト募集

バイトに応募する際に匿名性の高いアプリのインストールを求められる場合があるが、これには要注意!闇バイトの可能性があります。

最近の闇バイト募集では「テレグラム」などの秘匿性の高い通信アプリを利用することが多いです。

犯人側は証拠を残したくないので、一定期間が経過すると通信履歴が自動的に消去されるアプリを使う傾向にあります。

③ 具体的な仕事内容や報酬(時給等)が記載ない

アルバイトの募集要領等に具体的な仕事の内容、時給などが記載されておらず、「簡単、短時間で高額、まずは連絡を」といった誘い文言だけの場合は特に要注意。これは個人情報を得るための“網”です。

④ 「お試しで」という文言

仕事の内容の記載がなく「経験不問、まずはお試しで」といった募集も要注意です。
お試しで集合したら「出し子だった」,「その後抜けられなくなった」という例があります。

⑤ 連絡先の電話番号が携帯電話だけ

バイト募集なのに連絡先として携帯電話やメールアドレスのみ記載。中には SNS の募集案内に記載されたURLなどにクリックして登録するだけというものもあるので要注意です。

⑥ 募集元の住所や連絡先が明記されていない

社名や所在地などが記載されていない募集は要注意です。

他にもあると思いますが、SNSの掲示板やメール配信のバイト募集で、特に高額バイト等の甘い言葉、仕事内容・時給が不明、連絡先等が明確でないような場合には応募しない、電話やメールもしない、つまり関わらないことです。また、友人や知人からの「高額バイト」の誘いにも注意し、バイト内容等をよく確認しましょう。

もし、不安を感じたら

闇バイトと知らずに問い合わせをした、応募した、応募したが不安になったという場合には、すぐ最寄りの警察署、警察本部の総合相談センター又はヤング・テレホン・コーナーに相談してください。

犯罪行為に加担ししてからではリスクが大きくなります。

もし、闇バイトで犯罪行為等を行ってしまった場合や抜け出せない、脅かされているというときは、すぐに相談しましょう。

警察相談ダイヤル:#9110(全国共通)

闇バイトに手を染めるリスク

闇バイトの主なリスクとしては、

  1. 犯罪行為者としての刑事責任 : 「逮捕」→「取り調べ」→「刑事裁判」→「刑罰(懲役等)」
  2. 被害者への損害賠償
  3. 社会的な制裁

です。

未成年であっても逮捕されたり、犯罪の内容によっては刑事罰を受けたり、少年院に送られたりすることがあります。

犯罪グループは助けてくれません。闇バイトは使い捨てです。

社会復帰が難しくなるリスクも

逮捕され、成人なら名前や顔写真までニュースやSNSで拡散されます。ネット上では半永久的に氏名や顔写真などの情報が残ってしまうおそれがあります。
未成年者でもいつの間にかSNSに実名や自宅の写真などがあげられ晒されることも・・・

そのことにより自分の家族や兄弟などの未来にも影響を及ぼしかねません。
もちろん本人のその後の社会復帰が厳しくなるというリスクを背負うことになります。
繰り返しになりますが、犯罪行為等や高額報酬をうたう闇バイトには絶対に手を出すべきではありません。

アルバイト募集に関する法律

アルバイトや従業員の募集に関する法律には、「雇用対策法」、「男女雇用機会均等法」、「職業安定法」等があります。

これらの法律により、雇用期間、男女均等雇用、応募する人の権利を守るためのルールなどが定められています。

例えば、ハローワークや人材紹介会社を通じてアルバイト等を募集する場合には、①業務内容、②労働契約の期間、③就業する場所、④始業及び終業の時刻、休憩時間と休日、⑤賃金 ⑥健康保険、労働者災害補償保険等の適用有無などの 6 項目を求人票に記載することが必要です(職業安定法5条の3)

アルバイトを探すときには上記の①~⑥について、きちんと企業側に確認しましょう。

また、実際の給料や勤務日数、仕事内容と違う好 (虚偽) 条件をインターネットや雑誌などで示して募集すると「求人詐欺」となり違法行為とされています。

おわりに

繰り返しになるが、「闇バイトは犯罪」です。
SNSなどのバイト募集の「高収入」「週10万円補償」などに心を躍らせるかもしれませんが、甘い言葉の裏には落とし穴があることわかっていただけましたか?

もしも闇バイトに手を出して違法行為を行うと将来に対する大きなツケを残すことになるので、アルバイトを探す場合には細心の注意を払う必要があります。

大金を得るというよりも健全な生活を送ることで大事です。
学生の方は両親などとよく相談したり、学生課などの相談窓口に出向いてみましょう。

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